視点
南朝鮮赤十字社が共和国に支援する肥料5000トンを積んだ船が3月30日、全羅南道の麗水港から南浦港に向かった。3月11日に南朝鮮赤十字社が共和国向けの肥料支援のための募金活動を発表して以来、最初の支援。支援目標規模は10万トンで、第2陣の5000トンは7日出港予定。
これに先立ち南当局は3月19日、赤十字社の募金事業を通じて共和国に対し肥料5万トン分に相当する180億ウォン(約18億円)を支援すると発表している。
共和国への肥料提供問題は昨年、南側から提起され、4月11日から17日まで北京で南北会談が行われた。南の新「政権」発足後、初の南北対話として注目された。
しかし南側が「相互主義」を掲げ、人道支援問題の肥料提供に政治問題を絡め、政治問題が解決しなければ肥料提供は出来ないと主張、前「政権」と変わらぬ反北対決姿勢を追求しようとしたため決裂した。
それ以来、南北対話は中断したままだ。
今回、南当局が「相互主義」を緩和し、赤十字を通じた人道支援を行ったことは結構なことだ。その背景には朝米地下施設協議が合意(3月16日)し、米国も共和国への食糧支援実施を決定したことがある。
共和国はさる2月の連合会議で、当局会談を含む南北間の幅広い対話を呼びかけ、高位級政治会談開催も提案している。
今回の肥料支援が、対話再開の雰囲気作りに寄与すれば幸いだ。(喜)