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民族大団結で統一へ/90年代の歩み(8)


「わが民族の大団結を実現しよう」(1991年8月1日)

共同の利益優先させ連帯

 金日成主席は1991年8月1日、祖国平和統一委員会(祖統委)幹部、祖国統一汎民族連合(汎民連)北側本部メンバーと談話「わが民族の大団結を実現しよう」を行い、統一実現における課題について明らかにした。

 その背景には、統一運動を取り巻く画期的な動きが相次ぎ、民族大団結を実現するうえで大きな前進が遂げられたことがある。90年に汎民族大会(8月)、南北統一サッカー(10月)、汎民族統一音楽会(同)、91年に南北統一チームでの世界卓球選手権(4月)とワールドユースサッカー(6月)出場が実現。また、北、南、海外同胞の常設的な統一運動機構として汎民連の結成が決定され、海外本部(90年12月)と北側本部(91年1月)が発足した。

 これらは、朝鮮民族の統一熱望が高まり、民族的和合と団結の機運が高揚した結果によるものだ。つまり、全民衆の心が一つに合わされば、全民族の大団結が成し遂げられ、統一が実現するということである。ソウルでの統一サッカー第2戦(90年10月)を観戦した文益煥牧師も「すでにわが民族は統一された。統一は完了形だ」と述べた。

 このように、90年代統一を目指して民間級の動きが活発化する中、主席は全民族が大団結して統一を実現しようと呼びかけたのである。

 主席は、朝鮮の分断は朝鮮問題が列強の利害関係に沿って処理され、米国が南朝鮮を占領した結果によるものだと指摘。統一問題は人為的に引き裂かれた民族の血脈を再びつないで民族的和合を達成し、全国的範囲で民族の自主性を実現する問題であり、すなわち同胞の運命と生命に関する問題だと述べた。

 さらに、祖国の自主的平和統一の根本的な前提は民族大団結だと述べ、民族大団結の重要性を強調。全民族が和合して一つに団結すれば、それが祖国統一だと明言した。

 そして、民族大団結実現のための課題として@北、南、海外の各界各層同胞が思想、制度、信仰の差異を超越して民族共同の利益を優先し、統一偉業にすべてを服従させるA同胞間の接触と往来、対話を積極的に発展させるB統一を目指すたたかいで全民族的連帯を強化するC北、南、海外の全政党、団体、組織、同胞による連合を組織する――という4項目を掲げた。

 主席が明らかにした民族大団結の思想と、それを具現するたたかいで収めた成果、経験は、「祖国統一のための全民族大団結10大綱領」(93年4月6日)として、最高人民会議第9期第5回会議(同7日)で採択された。