視点
本紙2月2日、5日号6面で「共和国が推進するジャガイモ農業」を2回特集した時、インターネットで記事を知った日本人記者からも問い合わせがあった。今、「ジャガイモ農業・栽培」という言葉が朝米関係を見るうえで一つのキーワードになりつつある。
米国によるジャガイモ栽培協力の「プロジェクトが進展すれば朝米関係改善に貢献すると見られる」。ワシントン22日発の時事通信は、こう指摘しながら、米国務省が同日、共和国への20万トンの新規食糧支援実施を発表、このうち10万トンは国連機関を経由せず、直接提供することを明らかにしたと報じた。
2国間ベースの食糧直接支援は朝鮮戦争後初で、直接支援を禁止した敵対国貿易法に基づく経済制裁が事実上緩和されることを意味する。経済的だけでなく政治的にも意義は大きい。
この発表は地下施設疑惑を巡る16日の朝米合意に基づくもの。米国は共和国との政治、経済関係を改善する措置をとると合意していた。
国務省当局者は、ジャガイモ栽培協力の細部も公表、「近く米国の技術者チームが訪朝し、5月に栽培が始まる」と述べ、両国間で初の農業プロジェクトの始動を表明したという。
朝米はまだ交戦状態にあり敵対関係は解消されていない。その両国の農業関係者が協力し共和国でジャガイモ栽培をすることなど、これまでは考えられなかったことだ。大きな時代の流れを感じさせる。(喜)