99共和国経済の展望――各担当者に聞く(上)
【平壌発=本社姜民牛】 労働新聞など今年元旦の共同社説では、経済部門における基本課題について(1)経済すべての部門で生産を正常化させ(2)経済全般を軌道にのせ(3)人民生活を安定向上させる――ことだと指摘した。共和国経済各部門の担当者に話を聞いた。
農業/車隣錫・農業省農産局長
適地適作、適期適作の原則徹底
―農業生産の推進状況は。
今年の共同社説は、農業は強盛大国建設のための大本であると指摘したが、この意味はまず食糧問題を解決しなければならないということだ。
農業には国家的な力を注いでおり、ジャガイモ栽培で革命を起こして、適地適作、適期適作の原則で農業構造を改善し、2毛作を大々的に行い、種子革命を起こすことに全力を上げている。
2毛作の前作で植える小麦、大麦の種まきを終えた。またトウモロコシの種を苗床にまく準備も順調に進んでいる。肥料は昨年と同水準で準備できた。
―ジャガイモ栽培の現状は。
主に4つの対策を講じている。
第1は、栽培面積を大々的に増やすことだ。
従来のトウモロコシ畑でジャガイモを栽培する。その際、2毛作に適した地域では前作としてジャガイモを植える。
江原道の土地整理事業など、新しい農地の確保にも力を入れている。
第2は、共和国の風土にあった優良種イモを導入することだ。
現在、ウイルスに感染しにくく、安定した収穫を得られる種イモの培養で一定の成果を収めている。
第3は、栽培方法。新たに培養、育成した優良種イモを使って栽培していく。現在、その方法を各農場に伝えているところだ。
第4は、地力を高める問題だ。
過去に化学肥料を多く使ったため、土壌が酸性化し、地力が低下した。複合微生物肥料を生産、利用することで地力を高める対策を講じている。
―共同社説では農業構造の改善がうたわれているが。
まず適地適作、適期適作の原則で作物を植えることを徹底していく。
トウモロコシに適した地域ではトウモロコシを、ジャガイモに適した地域ではジャガイモを植える。また比較的気温の高い地方ではサツマイモを植え、北部高山地帯では薬草を栽培することなどだ。
農業構造改善とは、こうした作物配置の改善を意味する。
また化学農法から有機農法への移行も改善内容に含まれている。有機農法の場合、化学農法に比べて肥料を少なく与えても収穫物の質を高められ、また土地の酸性化も阻むこともできる。
―2毛作の推進状況は。
山地が多い共和国では、耕地面積が制限される。このような条件から穀物収穫量を高めるには2毛作が要求される。
2毛作の基本は、穀物と穀物。現在は前作で小麦、大麦を、後作で稲を植える水田が多数を占めている。すでに共和国では数年前から2毛作により適した大成苗の栽培に成功し、今はこの経験を各農場で一般化している。
また必ずしも穀物と穀物の組み合わせで行う必要もない。場合によっては前作で野菜を植えてもよいし、土壌が悪い所では1期作でもかまわない。すべての選択権は該当地域の農業事情を一番よく知っている農民にあり、彼らの意思と要求に任せている。