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視点


 平壌で来月、共和国の経済官僚やテクノクラートを対象にした資本主義セミナーが開かれる――3日発の時事通信がワシントンの世界銀行当局者の話としてこう伝えた。国連開発計画(UNDP)が主催、世銀の専門家を講師にマクロ経済や市場調査、資本主義経済論などの講座が3ヵ月実施されるという。

 共和国が近年、資本主義の研究を進めているのは確かだ。

 すでに1995年の夏に金日成総合大学で、羅津―先鋒経済貿易地帯に派遣する人材育成を目的とした資本主義システムの特別講義が行われている。

 昨年9月に羅津―先鋒地帯に開校した羅津企業大学の金光延校長は本社関係者に対し、資本理論一般をはじめ、ビジネス英語、財政金融、融資業務、税関、観光、国際経済などを教えることになると語っている。

 UNDPソウル事務所によると、共和国は資本主義研究の目的で昨年、シンガポール、タイ、ハンガリーなどに計約100人の専門家を派遣したというが、これは97年の10倍に達する。

 金正日総書記は昨年10月に慈江道内のタイヤ工場を視察した際、社会主義市場がなくなり周辺諸国が資本主義貿易を行っている条件に沿って、経営管理は社会主義の原則に基づきながらも、貿易は資本主義諸国を相手にすべきだと述べた。

 資本主義の研究も、こうした現状認識に沿った現実的対応と見てとれる。(聖)