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視点


 「3・1特別赦免」で2月25日に釈放された禹ヨンガク氏(71)は41年間獄中にいた。思想転向を拒否したためだ。

 今回の釈放にあたっても、南の当局が要求した順法誓約書の提出を拒否、非転向を貫いた。「良心の自由をこれ以上、侵されてはならないと考えたから」と、禹さんはその理由を説明した。

 順法誓約書とは「国法の秩序を順守する」と強制的に書かせるもの。つまり、二度と民主化闘争を行わず、「模範的市民」として生きていくことを強要するものだ。

 金大中「政権」は昨年7月、良心囚がこの誓約書を提出すれば赦免するとの「順法誓約制度」を導入、直後の「8・15特赦」から適用した。

 当然、誓約書提出を拒否した禹さんらは赦免から除外され、「良心と思想に対する統制」「思想転向制度と何ら変わりない」と内外から非難が出ていた。こう見ると、遅きに失した感はあるが、一部でも順法誓約書拒否者を釈放したことは評価できる。

 だが、今回釈放された良心囚はわずか43人で、300人の良心囚の14%に過ぎない。民主労総、「韓総連」関係者はほとんどが除外された。順法誓約書を書かなかったからだ。当局はダブルスタンダードを適用している。

 こうした矛盾をなくすためにも、「良心囚赦免のものさし」(民主化実践家族運動協議会)である順法誓約制度は1日も早く完全撤回されるべきだ。(聖)