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共和国で推進する有機農業


 農業を営むうえで欠かせない肥料。共和国では現在、農薬や化学肥料を使用しない有機農業の推進を呼びかけている。

 これは、電力不足により工場がフル稼働せず、化学肥料を大量に生産できないこと、また外貨不足で外国からその不足分を十分に購入することができないことから、既存の原料、資源で肥料を確保しようとする対策の一環だと言える。

 有機質肥料の基本は、豚などの家畜の屎尿を利用した屎尿肥料。ジャガイモ増産に成功した両江道大紅湍郡では、ジャガイモを主飼料とする豚などの家畜を飼育している。屎尿肥料を確保するとともに、肉も生産できるので、一石二鳥だ。

 労働新聞1月23日付は、堆肥や腐植土肥料の生産方法などを具体的に紹介した。

 それによると、トウモロコシやアワなどのわら、大豆のさや、なら、木の葉などが、微生物を活用した堆肥を生産できる原料だ。これを細かく切って湿気を70〜80%で保ちながら、40度に温めた石を置き、そのうえに500〜600グラムの肥やし、土と混ぜた微生物をまく。この時の微生物の配分量は原料1トン当たり100〜200グラム程度。このようにして堆肥を20トンほど積み上げ、土を上からかぶせると5日ほどで湯気が出るが半月すぎれば止む。そこに微生物を入れて再びかけて混ぜ、40日経つと完成する。この方法で作った堆肥は従来の堆肥を作る時よりも腐蝕が早く、一度に大量生産できる。

 8・25農場傘下の作業班では、こうして作った堆肥を使用することで、生産をヘクタール当たり、穀物で1.3倍、ジャガイモと野菜では1.5倍に増やした。

 またこの堆肥は堆積地ではなく、田んぼで作るのが好ましい。

 それはこの堆肥を生産した田んぼでは、すでに地力が高まっていることから、ヘクタール当たり2トンの腐植土肥料をまけば、化学肥料を使わなくても穀物収量を高められるからだ。

 腐植土1トン当たり、500グラムの尿と20キログラムの尿素肥料を混ぜ合わせ、それを3〜5トンほど積み上げ、薄い膜を張って温度を40度になるようにして1週間置く。同作業班ではこのようにして作った腐植土肥料を田んぼヘクタール当たり2トンまくことで、収穫を高めた。

 同作業班では今年、ヘクタール当たりに2トンの腐植土肥料と40トンの堆肥を与える計画だ。

 また共和国では、農村1世帯当たりで20トン、協同農場の作業班傘下の肥料を生産する分組で500トン、協同農場の種を蓄える作業班で1000トンの良質な有機質肥料を生産し、地力を高めることを呼びかけている。すでに稲の収穫で一定の成果を収めている複合微生物肥料を利用することも奨励されている。