埼玉初中校長、大宮市の「外国人1日市議会」で助成拡充などを訴える
埼玉朝鮮初中級学校の金淳附Z長は9日、「大宮市外国人のための1日市議会」に参加し、助成の拡充など朝鮮学校の処遇改善について訴えた。
「1日市議会」とは、市内在住の外国人が抱えている問題を市政に反映させようと、大宮市と市国際交流実行委員会が1995年から主催しているもので、今回で3回目。会議には、自ら応募した12ヵ国20人の外国人代表と、新藤享弘市長をはじめ部長以上の市の行政責任者全員が出席。10人の外国人代表が人権保障や環境問題などについて質問し、市側が答弁した。
金校長は自己の文化と言語を尊重する教育の権利を保障した各種国際条約や、朝鮮学校に対する差別を「重大な人権侵害」だとした日本弁護士連合会の政府への勧告などについて触れながら、民族教育の重要性と必要性について強調した。
大宮市は11年前から埼玉初中に対し、文化体育活動を対象にした補助を実施しているが、ここ5年以上増額はない。金校長は、川崎市が川崎初中体育館建設の際に総予算の半額である1億3000万円を支給し、また同じ埼玉県内の蕨市が市内に住む埼玉初中児童の保護者に保護者補助金を支給している事実について触れながら、こうした他市の先例に従い、大宮市も助成において画期的な判断を下すよう求めた。
石川正夫教育長は答弁で、「朝鮮学校の運動会や文化祭で子供たちの生き生きとした姿を見る度に、教育はこうであるべきだと感銘を受ける」と述べながらも、「市は国と県の指導を受ける立場にあり、期待には十分に応えられないが、本日の要望内容は忘れないようにしたい」との姿勢を示すに止まった。