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祖国統一の新たな局面を/南北高位級政治会談提案


 共和国政府・政党・団体連合会議が3日、平壌で開かれ、民族の自主と大団結で祖国統一の新たな局面を開くことについて討議、今年を「民族の自主と大団結の年」とし、祖国統一3大原則を忠実に履行し、当局会談を含む南北間の幅広い対話を行うための対策を提起。南当局に対しては(1)反北外勢との「共助」破棄(2)合同軍事演習の中止(3)「国家保安法」撤廃(4)統一愛国団体と人士の統一運動の自由保障――という先行事項が今年上半期に解決されたうえで下半期に南北高位級政治会談を開催しようと提案した。会談の議題は(1)南北合意書履行のための対策(基本議題)(2)協力・交流問題(3)離散した家族や親戚の苦痛を癒す問題――などとした。提案の背景と意義、今後を展望する。(根)

 

北のイニシアチブ

 提案の背景には第1に、共和国のイニシアチブによる民族大団結の雰囲気が高まったことがある。

 金正日総書記は昨年4月18日付書簡「全民族が大団結し、祖国の自主的平和統一を達成しよう」で民族大団結5大方針を示し民族大団結実現で重要なのは民族自主原則の堅持であり、それは外勢支配に反対し、民族の自主性を守るために民族が団結してたたかうことだと指摘した。今年の共同社説は「全民族が和合し団結すれば、それが祖国統一である」と改めて民族大団結について強調した。

 民族大団結の精神に基づき南北間では昨年、民間級交流が大幅に広がった。

 共和国と南の財閥現代グループの合意で昨年11月から始まった金剛山観光事業には昨年末までに1万人が参加、「民間級交流の模範」と評価された。

 金正日国防委員会委員長(党総書記)は、鄭周永名誉会長が昨年10月に訪北した時、会見し金剛山観光への積極姿勢を示した。

 昨年11月に平壌で開催された尹伊桑統一音楽会には、ハンギョレ新聞論説委員の崔鶴来・南朝鮮統一文化財団事務総長を団長とするソウル演奏団が参加。共和国の芸術家たちと共に「われらの願いは統一」を歌い、観覧者に深い余韻を残した統一音楽の舞台となった。

 

戦争の危機を回避

 提案の背景の第2には、米日による朝鮮半島での戦争挑発策動に対し、民族大団結で戦争の危機を回避しようとの意図がある。

 米国は朝米基本合意文を誠実に履行しないだけでなく、新たに「地下核施設疑惑」を持ち出して共和国の地下施設への「査察」を要求、合意文破棄まで示唆し緊張を高めた。また第2の朝鮮侵略戦争計画「5027作戦計画」を完成させ、その侵略企図は危険ラインを超えた。

 日本は共和国の人工衛星打ち上げを「弾道ミサイル」と言い張り、戦域ミサイル防衛構想や軍事衛星の導入に拍車をかけ、新「日米防衛協力指針」の法制化など、軍事大国化と朝鮮再侵略の道に進んでいる。

 朝鮮で戦争が起これば北も南も無く民族全体が犠牲を強いられる。連合会議の提案は民族の自主と大団結で外勢の戦争策動に対処しようとするものだ。

 

これまでの教訓

 共和国は、南北高位級政治会談開催の前提として南側に先行事項の履行を求めた。決裂と破たんの曲折を経てきた南北対話の貴重な教訓に基づくものだ。

 統一実現のためには何よりも外勢に頼らない自主性が求められる。外勢との共助は同族の一方への対立以外の何ものでもなく、外勢との合同軍事演習は同族に対立する最大の挑戦である。同族を「敵」と規定する「国家保安法」がある限り民族大団結に基づく南北の幅広い対話と交流、接触を順調に行うのは難しい。

 

履行は不可欠

 先行事項の履行は早ければ早いほどよい。共和国は今年上半期に履行するよう求め、下半期には南北高位級政治会談を開催しようと南当局に提案した。時期明示は会談の年内開催への意欲を示すものと見られる。

 共和国は90年代だけでも毎年1〜4月に連合会議を開き、南側に統一対話を呼びかけてきた。ただ95〜97年の連合会議では、当時の「大統領」金泳三は相手にしなかった。金日成主席の急逝に対し弔意を示さないだけでなく反北対決姿勢をとったからだ。今回、連合会議の内容を込めた手紙を南の各界人士150人に送ったが、トップは「『大統領』金大中」となった。

 南北高位級政治会談提案に対し南当局は、「肯定的に評価する」とする一方で「無条件対話」をうんぬんし共和国が示した先行事項履行に背を向けている。

 しかし南北対話を統一志向的にするためには、対話の障害物となる先行事項の履行は不可欠だ。「南北対話の前途は、全的に先行事項の履行如何にかかっている。これが履行されれば、南北間には対話がいつ開かれても構わない」(2月8日の祖国平和統一委員会スポークスマン談話)。

 対話の再開は南当局の対応次第である。