視点
年が明けてから共和国に対する日本政府の態度に変化が出始めている。 小渕首相は1月29日の衆院予算委で、日朝国交正常化に向け全力を挙げる考えを示した。日本はあらゆるパイプを通じて共和国への働きかけを強める方針という。これに先立ち外務省幹部も「今年は北朝鮮との関係を動かすことに全力を注ぎたい」と語った。
日本政府は、共和国の人工衛星打ち上げを口実に、自分たちが一方的に切ってしまった対話のパイプを今になってやっと修復しようと慌てているのだ。
これは外交の失敗を認めたことになる。日本の対北政策が通用せず、国際的にも支持されないことが増々明白になったからだ。
米国と南朝鮮は共和国と対立しながらも朝米協議や四者会談でパイプをしっかりと繋いでいる。日本だけが昨年九月以来、「外交的空白」状態のままだ。そのため「同盟国」との足並みの乱れも目立ち、米日「韓」協調も怪しくなっている。
対話再開うんぬんの一方で、「防衛庁が朝鮮半島情勢緊迫に備えて有事法制を本格研究」とか、「自民党危機管理チームが北のミサイルを重点的に協議」などとキナ臭い報道が連日されている。
「有事法制」とはつまり戦争をするための法、体制作りにほかならない。国交正常化とは相入れない危険な動きだ。
国交正常化が本音なのか、再侵略=戦争が本音なのか。言行不一致では、対話のパイプを繋ぐのは難しい。(喜)