それぞれの四季/李政愛
学期末
怒濤のような学期末を迎えた。学期末のメインイベントは学期末試験である。試験が近づくと、毎日提出される少年団手帳には、「いやだー」の声が多くなる。いざ試験が始まると発表される点数に一喜一憂する声。その中にこういう文章があった。「私の数学のテストはあまり良い点数じゃなかったけど、友達に教えてもらって、今まで解からなかったことが解ったのですごく嬉しかった」と。解ったことが嬉しい、これが勉強本来の姿だ。私も嬉しかった。
学期末試験を迎え討つために、少年団委員会が決めた「豆テストラリー」の担当者は、この期間中、毎日、テスト用紙を配布し、採点し、不合格者を残して教え、再試験をし、再々試験をし、と遅くまでがんばっていた。彼女の机やロッカーは色々な試験の答案でゴチャゴチャだった。下校時間を過ぎた教室で、手作りのプリントをクラスメートに渡して言っていた。「それじゃあ、今日は遅いから、この公式を覚えて来てね。そして、明日の朝、テストをしようね。いい?朝だよ」と。
私の出る幕はなく、只、横で見ていた。級友のためにこれほど力を尽くすのは易しいことではない。これは力だ。心の力とでも言おうか。うちのクラスが特別なのではないだろう。でも、こういうふうにクラスや少年団のために、自分だけという範囲を超えてがんばっている生徒たちがいる。
失敗もある。まだ問題も多い。私の力不足もある。しかし、生徒たちの心の力は色々にぶつかりながら、今日より高い所へきっと導き合って行くだろう。 (西東京朝鮮第二初中 教員)