平壌レポート/平壌―南浦の高速道路建設
現場にちりばめられたそれぞれの夢
平壌―南浦高速道路の建設現場。平壌市の青年たちが担当した区間は、山が多かった。彼らは機械がない中、人力で工事を進め、着工から1年の間に高速道路の路盤を完成させた。
「平壌を公園の中の都市と呼びますが、私たちは、緑の中を走りながら港に着ける、そんな道路を作りたいのです」
責任者のキム・ヨンイルさん(55)は、路盤が完成した後、道路周辺の植樹に余念がない。平壌出身の彼は、南浦といえば「何日かかけて行く所」との印象があったが、高速道路が完成すれば、車数10分で海にたどり着ける。
工事は、全国から来た青年たちが担当している。
「高速道路完工と同時に、結婚式を挙げようと、手紙を書く青年たちが多いようです」
青年同盟慈江道旅団指導員のパク・ナムチョルさん(30)は、社会生活を始めた20歳前後の青年たちの相談役だ。
「女の子たちが建設現場を訪れたりします。頑強な闘志で、働く恋人の姿を見ると、愛情がよりいっそう、深まるんじゃないですか」とほほえんだ。
平壌を港につなぐ世界都市に―。
40余キロに及ぶ高速道路の路盤の上に建設機械は多くない。人々は、ハンマーを手に、石と砂を背に抱え、重そうに資材を運んでいる。
足りない物は多い。しかし、建設現場には市民たちのそれぞれの夢が散りばめられていた。【金志永記者】