夫婦でトレッキング
体力に合った計画、欠かせぬ日頃の鍛錬
昨年7月下旬、白馬三山、八ヶ岳から蓼科山の連続登山の計画を立てたが、体力不足で途中、断念した。大阪から夜行バスで白馬、猿倉へ。そして寝不足のまま大雪渓を登った。振り返って見ると、大雪渓はスケールが大きく、爽快な気分になる。花を楽しみながら、ゆっくり頂上を目指した。
翌日、白馬山荘を出発して、丸山を過ぎたところでブロッケンを体験。さすがに神秘的な気持ちになった。杓子岳、鑓ケ岳と白馬三山を登る。広々としたお花畑の大出原、白馬鑓温泉を経て、猿倉に下山した。3日目は移動日。白馬から美濃戸口を経て、雨の中を赤岳鉱泉に向かう。
翌日は晴れ。中岳・阿弥陀岳のコルに出ると、正面に富士山がくっきりと見える。阿弥陀岳からの展望は素晴らしかったが、赤岳山頂に着く頃から徐々に雲が張り出した。台座の頭から硫黄岳山荘・駒草神社まで、一面がコマクサである。延々と広がるコマクサに見とれてしまうほどだ。山好きの知人から、コマクサを見るなら八ヶ岳縦走だといわれて来たのだが、納得した。大ダルミでは、ガスが張りだして視界があまりきかないので、大きなケルンを頼りに進む。夏沢峠に着いて一息つき、本沢温泉に下った。
次の日、疲れのせいか東天狗岳には予定よりかなり遅れてしまった。素晴らしい展望の中、西天狗岳を往復し、天狗の奥庭に入った。黒百合ヒュッテ、高見石小屋を経て、麦草峠へと向かった。麦草峠で縞枯山から蓼科山への縦走を断念したが、今年2月に蓼科山に登り、そのうっぷんを晴らした。
この縦走でつくづく思ったのは、体力に合った計画とトレーニングの問題だ。写真を撮ったり、花を見たり、各人各様の楽しみ方のある山歩きを楽しむためには、日頃のトレーニングで体力をつけるしかない。ジョギングが出来ればいいのだけれど、あまり好きではない。中高年の私たちに特別なことが出来るわけでもないので、ダンベルなどを使って基礎体力を維持することと、スクワット、腕立て伏せなどをしている。できるだけ歩くことを基本にしているが、とくに階段の上り下りには、意識的に歩くようにしている。自宅が少々不便なところにあって、40〜50メートルの坂を登らなければ帰れない。早足で登るように心がけているが、それが良いように思う。夫婦でトレッキングを楽しむという目的があれば、そんなこともあまり苦にならないから不思議だ。(朴宗彬・大学教員、韓希望・医師 神戸市在住 おわり)