経営トレッド/アウトソーシング
アウトソーシング(Outsourcing)とは、Out(外部)とSource(源泉、資源)の合成語だが、経営分野では「業務の外部委託」の意味で使われる。具体的には経営管理機能・資源の外部調達、外部委託を言う。
自社よりも高い専門的能力を持つ外部企業を活用するという点で、社外の賃金格差や労働環境格差に目をつけた従来のコスト削減型「外注」とは異なる。
つまりは「餅は餅屋」の論理で、自社は得意とするところに経営資源を集中させて競争力を強化しようというものだ。
この言葉の発祥の地はアメリカで、1980年代後半に流行した。日本では1990年代はじめに輸入され、バブル崩壊後の経営環境変化の中で、過剰な資源と人員を削減する「組織の合理化の方法」として浸透。情報システム関連の業者から普及し始めた。関連事業所は13万ヵ所、労働人口は200万人を突破した。
総務・福利厚生、人事・人材、経営・情報、営業・販売、物流、医療、施設管理、イベント企画など、分野の幅も広がる。このところ注目されているのは管理業務、研究技術開発、商品企画とデザイン、営業販売分野など。いくつかの職種の人材派遣が解禁(改正労働者派遣法が12月1日に施行)になり、アウトソーシングに拍車がかかるだろう。 (尹弼錫・朝大経営学部長)