ウリ民族の風習、伝統/セシ(歳時)―ソッタlクムンナ(大晦日)


クセベに回り、大掃除をする

 12月31日を「ソッタlクムンナ(大晦日)」、また「チェソッ(除夕)」と呼ぶ。

 この日の夕方、年少者たちが、まず、サダン(祠堂)に拝し、親戚および姻戚の年長者を訪問し、礼をする。これを「クセベ(舊歳拝)」と言う。年を無事に過ごしたことを告げるものである。昔は、大晦日の夜遅くまで、提灯を照らしながら年越しのセベに回る人たちの行列が絶えることがなかったという。

 宮中では、大晦日の前日に、大砲を放った。これを「ニョンジョンポ(年終砲)」と呼んだ。(「東国歳時記」洪錫謨著)

 また、鬼を驚かすために大晦日と元旦に爆竹を鳴らした。

 大晦日には、家の内外をきれいに清掃する。家屋内の掃除は婦女子がやるが、屋外を掃き片付けるのは男の仕事であった。このようにすると、旧い年の雑鬼と災厄がすべて取り除かれ、神聖な中で新年を迎えられるといわれた。

 宮中ではこの日に、「ナレ(儺礼)」といって、民家の少年のうちから、「シンジャ(●子=注)」(●は人偏に辰)数十人を選び、赤い衣装を着せて鬼を払う儀式を行った。

 大晦日の夜は、どの家も部屋・庭・竃(かまど)・物置・便所などの隅々にまで明りをつけて寝なかった。スセ(守歳=注)と呼ばれた。

 灯を明るくするのは、雑鬼の出入りを防ぐためであり、台所でも竃のかまの後ろに明りをつけたのは、「竃王神(かまどの神)」を祀るためである。

 ・ シンジャ=大晦日の夜、疫病の「鬼」を追い払う儀式に従った子供たち
 ・ スセ=12月のキョンシンナ(庚申日)に眠らなければ福があるという「キョンシンスセ」のことをいう。

 (次回からは、大晦日から正月までの伝統的な民族遊戯、娯楽などを紹介する)。