経営トレンド/自己資本比率


 一般的に企業の総資産に対する自己資本(資本金、準備金など)の割合を言う。経営の健全度や体力を測る指標の一つとして使われる。

 このところよく話題に上るのは金融機関の自己資本比率問題で、BIS(国際決済銀行)が出した銀行の国際的統一基準に基づくものだ。

 この場合の自己資本比率は、まず資本金や余剰金(資本勘定)・株式含み益・劣後債などを自己資本として分子にし、融資(貸出)・債券(有価証券)などの資産を種類ごとの回収危険度で割り引いて再評価した資産(リスクアセット)を分母にして算出する。この時、現金、国債などのリスクウェイトは0%だが、リスクの高い資産ほどウェイトの掛け目も高まる。つまり、リスクウェイトの高い資産が多いほど自己資本比率は低くなる。

 最終的な算出は金融監督庁が担当する。

 国債業務を行う銀行の自己資本比率はBIS規制によって8%以上、国内業務を行う銀行は4%以上を維持しなければならないと定められている。

 日本では1998年4月以来、この基準を下回った金融機関に対し、その水準に応じて、金融監督庁が経営改善や業務停止などを命じる早期是正措置を実施している。朝銀の合併再編成もこれに基づいている。(尹弼錫・朝大経営学部長)