経済センサー/病院給食の受託業拡大


 東京三菱銀行の調べによると、病院給食受託業の市場規模が拡大している。500億円超だった1989年からの10年間で、約2600億円に伸びた。

 要因は、86年に病院給食の外部委託に関する規制が緩和されたこと。薬価引き下げによる病院の収益悪化も、コストダウン、サービス改善を目的とした給食外注に拍車をかけたとされている。

 調べによると、大病院ではかなり外注が普及している一方、中小病院の給食外注化率が約3割と低い。その潜在需要が顕在化することで、今後も同市場は堅調に拡大すると見ている。

 ただし、新規参入が相次いでいるうえ、病院側が一段のコスト削減とサービス内容の差異化をねらって業者を選別する姿勢を強めており、受託業者間の競合は激しさを増していると指摘。さらなる成長の恩恵を受けられる業者は一部に限られるだろうとしている。