ウリ民族の風習、伝統/冬の民族遊戯―ペンイチギ(こま遊び)


叩きごまが主流、回転度を競う

 昔から寒い冬になると子供たちは、自分で木を削って作ったペンイ(こま)を回して遊ぶ。これをペンイチギという。これは、ヨンティウギ(凧あげ)とともにミンソッノリ(民俗遊戯)の一つである。

 ペンイとは、「くるくる回る」という言葉の「ペンペントンダ」から出たもので、チギとは叩くことをいう。だから、ペンイチギは棒の先にひもをつけたむちで叩いて回す「叩きごま」が主流となっている。

 そして子供たちは、いろんな種類のペンイを持って、誰のペンイが長くまわるかのを競う。

 その方法は、高い所から投げた際の回転度、自分たちで制限した枠内でペンイがどれだけ回り、回ったものを誰が一番早く元の場所にもどすのかなどだ。

 では、ペンイはいつ頃からあったのか。通説では、少なくとも新羅時代(356〜935年)に存在していたと推定されている。

 日本には、奈良時代(710〜784年)初期に伝えられ、朝廷行事の余興として用いた。平安時代(794〜1192年)には、貴族の遊戯であった。

 史書「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅうしょう)」には、「こまつくり」と記されている。

 また、史書「大鏡(おおかがみ)」にも「こまつぶり」とある。その後、平安時代の貴族の手から次第に民間の子供の遊び具へと普及、移行し、江戸時代(1603〜1867年)に入ると、広く庶民の遊び具となって、様々な種類の物が登場した。

 手回しごま、叩きごま、あるいは変形の手車(現在のヨーヨーに似た物)、輪鼓(りゅうご=鼓ごま、デアポロ)など、多種多様のこまが作られた。