教えて 生活と権利/子供の外国人登録
Q 国際結婚で子どもが生まれた場合、外国人登録させるには
A 3つの国籍法で処理されます。日本国籍離脱の申請が必要
Q 私は「朝鮮」表示の男性ですが、このたび日本人女性と結婚しました。子どもが生まれた場合、子どもに外国人登録をさせるにはどうすればよいでしょうか。
A 「朝鮮」表示の男性が日本人女性と結婚した場合、その子どもの国籍は、「共和国国籍法」、「韓国国籍法」そして日本国籍法の3つの法律で処理されます。
この3つの法律によれば、いずれも父または母の一方がその国籍をもっていれば、子はその国籍を取得することができます(「共和国国籍法」7条、「韓国国籍法」2条、日本国籍法2条)。
父である「朝鮮」表示の男性は、「共和国国籍」と「韓国国籍」を併わせもっており(本紙10月6日号)、母である日本人女性は日本国籍をもっています。その結果、この子は「共和国国籍」、「韓国国籍」と日本国籍をもっていることになります。
このようにこの子は、いわば法律的には3重国籍状態になっていますが、日本国籍をもっていることから日本の戸籍、ここでは日本人である女性の戸籍に、子として記載されます。
そして、日本国籍をもっている以上、「共和国国籍」、「韓国国籍」をもっていても、日本の法律上外国人ではないので(外国人とは日本国籍をもたない者をいいます。したがって外国国籍を併せてもっていても日本国籍をもっている以上、外国人ではありません)、日本の外国人登録法上の登録はなされず、したがって当然のことながらこの子には外国人登録証明書も発行されません。
この子に外国人登録をさせるには、外国人になることつまり、日本国籍を離脱することが必要になります。
そして日本国籍法上、日本国籍を離脱するには、外国国籍をもっていることが必要ですが(日本国籍法13条)、実務上、この子は前述のように、「共和国国籍」と「韓国国籍」をもっているので(日本国政府は、「韓国国籍」をもっていることを理由に日本国籍の離脱を認める取り扱いをしています)その要件をみたしており、日本国籍の離脱の申請さえすれば、外国人となり、外国人登録ができます。
この場合の国籍欄の表示は、親の表示を引き継ぐのが原則なので「朝鮮」となります。
日本国籍離脱の手続き
住所地を管轄する法務局または地方法務局の国籍窓口で、国籍離脱の申請を行ってください。その際、必要な書類は、(1)国籍離脱届(窓口に備置)(2)戸籍謄本(離脱者の日本戸籍の謄本)(3)外国の国籍を有することを証するもの(一方の親の外国人登録済証明書など)(4)離脱者の住民票(5)離脱者が15歳未満の場合、法定代理人(6)親権者などによる届け出になるので、その資格を証する書面。
これらの書類が受理されると、1〜2週間後に法務局から「通知」(国籍離脱証明)が送られてきます。
離脱の効力は、国籍離脱届の受理時にさかのぼって発生します。
離脱者は、この「通知」を持参して在留資格取得申請手続き、外国人新規登録申請手続きをすることになります。
高英毅弁護士
コ・ヨンウィ 大阪市生まれ。東京大学卒業。在日朝鮮人人権協会会員で同胞法律・生活センター相談員。連絡先=TEL 03−5818−5424