急がれる財政改善/東京都商工会セミナー


 東京都商工会(宋斗満会長)主催の政経セミナーが9日、都内のホテルで行われ、商工人と商工会関係者ら約170人が参加した。

 1部で元駐中国大使の中江要介氏が「東アジアの平和と日朝正常化への原点」と題して講演。2部では公認会計士の蓮見正純氏が、「21世紀の企業の在り方」とのテーマで、様変わりする金融取引に対応する財務リストラ戦略について解説した。

 中江氏は、「日本は朝鮮半島の南半分とだけ関係を結んでいるが、これはおかしな状態だ」「朝鮮半島分断や日朝のおかしな関係をもたらした冷戦は終った」と指摘。また、今なお東アジアに不安要因が残ると言われているのは米国のプレゼンスを維持する口実に過ぎず、日本は朝鮮半島との関係を正すためにも、自らの立脚点を改めて探るべきだと語った。

 蓮見氏は、今後は財務内容が良好でなければ金融機関からの借入は難しくなるとして、金融機関からの借入を追加融資に頼ることなく計画どおりに回収でき、かつ余剰資金を生み出せるキャッシュフロー経営が生き残りの条件になると強調。不稼働資産の売却や不採算事業の整理、増資などの方法で財務を改善すべきだと話した。