経営トレンド/ブリッジバンク


 ブリッジバンクとは破たんした金融機関に代わって預金、融資の受け皿となり、次の引き受け先が見つかるまで一時的に業務を継続するため、100%国の出資で設立される銀行のこと。

 「受け皿銀行」「継承銀行」とも呼ばれ、破たんした銀行から運転資金などを借りている企業を保護するため、新たな貸出先がみつかるまで融資を続ける「橋渡し役」と言える。

 日本政府は1998年7月2日の「金融再生トータルプラン推進協議会」で「ブリッジバンク構想」を打ち出し、管財人方式による破たん銀行の処理方法として、同年10月に法制化(金融再生法)された。公的資金30兆円を投入する計画だ。

 金融再生委員会が破たん金融機関に「金融整理管財人」を派遣し、受け皿となる金融機関を探す。その場合、管財人の派遣から1年を目途に受け皿銀行をみつけるか、もしくはブリッジバンクを設立して優良債券を引き継がせ、改めて受け皿金融機関を探すことになる。

 ブリッジバンクをつくり、最大3年以内に受け皿がみつからないと破たん銀行は精算される。

 目下、経営破たん後に金融管理管財人の派遣を受けて営業譲渡先を探している国民、幸福、東京相和、なみはや、新潟中央の第2地方銀行5行については、ブリッジバンクを設立せず、破たん認定から1年以内に譲渡先を決める方針と言われる。(尹弼錫・朝大経営学部長)