ウリ民族の風習、伝統/チェサ(祭祀)(4)一般的式順


 チェサ(祭祀)をどういう順序で行うかは、各家庭で様々である。それらをみな、紹介しようとしてもきりがない。時代の流れの中でどんどん変化、簡素化する傾向にある。以下、最も一般的な式順を紹介する。

 (1)ソウィ(設位)
 故人の写真またはチバン(紙榜)をチェサン(祭床)の奥に置き、供物を整え、ピョンプン(屏風)があればその後ろに広げる。

 (2)チャシン(参神)
 チェジュ(祭主)以下、参加者全員が故人の写真、チバンの前で一斉にクンチョル(お辞儀)をする。

 (3)カンシン(降神)
 チェジュが焼香し、酒を注いだ杯をヒャンロ(香炉)の上に3回まわし、それをモサ(茅沙)というチェギ(祭器)に注ぐ。チェジュはチェベ(再排)をする。

 (4)ホンジャ(献酌)
 酒を杯に注ぎ、先祖の霊に捧げる。

 (5)トチュ(読祝)
 チュンムン(祝文=先祖の霊に捧げる言葉)を読む。このとき、参加者全員がひざまづいて座り頭をたれる。チュンムンが終われば全員が立ち、チェジュがチェベをする。

 (6)サシ(挿匙)
 スッカラ(さじ)を御飯の上に差し立てた後、チョッカラ(はし)を、供物の上にそろえおく。

 (7)ホンダ(献茶)
 スンニュン(釜湯=飯を炊いた後の釜に水を入れて沸かした飲み物)をお汁と置き換えて、御飯を少しずつ入れる。スッカラをスンニュンの器に入れ、頭をたれてからスッカラをもとの位置に置く。

 (8)サシン(辞神)
 故人の霊が去るので、参加者全員がチェベをする。それを終えた後、チバンとチュンムンを燃やす。

 (9)チョサン(撤床)
 供物は片付ける。供物はピョンプンに近いほうから下げていく。

 (10)ウ(飲福)
 下げた供物には、福があるといわれることから、参加者たちがともにこれをいただく。

 (この項おわり)