リニューアル シンボ/読者の反響
編集部に送られてきた紙面に対する反響と、取材した声をまとめました。
変わった
普通の新聞と同じように新しいニュースが載っているし、祖国の歴史、人物が純粋に紹介され、南との新しい交流が載っている。新鮮だ。「ああ、これで在日の新聞が読むことが出来る」と感動している。新報が届くのが楽しみになった。(崔春姫、53、主婦、愛知県)
読み応えのある記事が増えた。女性・家庭欄に載っていた障害者を育てる申桃順さんの経験談には、元気が出た。朝大の先生が、子育てを助け合うネットワーク作りを提案していたが、前向きな提案をもっと載せて欲しい。(金癸任、36、主婦、愛知県)
1面の「サム」(同胞を写真で紹介)の顔はさわやか。月曜日に清々しい顔が登場する紙面は元気をくれる。いままでの新報は「このようにしなさい」的な記事が多かったが、10月22日付の総聯分会代表者大会の「新しい『かたち』づくりのヒント」など同胞社会の多種多様さ、地域性、個性、感性、異なりをうけとめている印象を受けた。(崔鶴順、50、会社員、福岡県)
1面を、朝鮮の関連記事を中心に編集する従来の方法が踏襲された点は再考の余地があるが、日本に住む同胞の感覚に依拠してよかった。南朝鮮から来た同胞が見ても、恥ずかしくない。10月4日付の「3世記者の取材ノート」に示された「同胞の多種多様な生活感情を反映せねば」との記者の認識に賛同する。(姜貞憲、45、医師、北海道)
21世紀に向け新しく生まれ変わった新報を毎日、楽しみにしている。山登りが好きなので、天気予報と山の記事を愛読している。つたない朝鮮語で日記を書いていた、10月22日付「春夏秋冬」のオモニの話には涙が出た。(沈春伊、45、主婦、兵庫県)
これから
まだ読者が本当に知りたいこと、本質的なことが載っていないのではないか。朝銀の事に関しても一般の読者が知りたいことがどれ程載っているか。紙面からは伝わってこない。当初から「変わる」ということは、違うのではないかと思っている。まず、現実を深く堀り下げ、総聯が見落としてきたものに真しに向き合うべき。変わることは、ある意味で易しい。現実に向き合うことが、よりしんどいはず。しかし、現実に向き合ってこそ、新報は初めて変わることが出来ると思う。
載せる載せないは編集の判断だが、反対意見も必要とあらば掲載するくらいの責任を感じて。記者がジャーナリストとしての視点を持ち、精神的に鍛えられるべきだ。(金容星、46、建築士、東京都)
「私たち変わりました」と言ってもそれを見極めるのは読者の役割であって、制作に携わる人が判断することは難しい。紙面が同胞に身近なものになるには、記者だけが紙面を作るのではなく、読者参加型の、ぶっちゃけた新聞になるべきだと思う。「新聞、おもしろく変えましょうよ」って、マジで読者に問い掛けるべき。(林英美、28、大学院生、オーストラリア在住)
私たちのような国際結婚のカップルに対して、否定的な記事が多いことに不安を感じる。新報が日本という異国で民族性を守っていくため頑張っている事実や、民族結婚を実現するための努力がその一環というのは十分に理解できる。しかし、国際結婚が70%以上を占める現実も反映してほしい。朝・日親善に寄与していたり、お互いの民族性を尊重しているカップルも多い。(匿名)
総聯の機関紙ということを差し引いても、良くできていると思う。テーマも豊富だし、非常に好感を持てた。
在日同胞や海外同胞のデータが出ていたが、あれだけでは意味がない。彼らがどう生きているのかを問題にすべきで、在米二世の運動などは、日系人の運動があったからだ。よその運動も参考に出来るものがたくさんある。(金明秀、31、光華女子大学講師、ハンワールド主催、京都府)
朝鮮籍、「韓国籍」、帰化した学生、日本名で通う学生、国際結婚の間に生まれた学生、親が民団バリバリ、親が総聯から離れていった学生…。周りには本当にいろんな子がいる。「そういうモノに興味がない」という声をよく耳にする。この状況を打破するための新報のリニューアルだと思っている。
同世代の同胞がどんな思いで、どんな希望を持って生きているのかを聞いてみたい。どんな気持ちで国際結婚したのか? 民族教育を受けたのに、なぜ子供を日本の学校に通わせるの? などなど奥深い問題を様々な人に投げ掛けてほしい。(金初禧、21、立命館大学3回生、京都府)