本の紹介/在日外国人の母子保健―日本に生きる世界の母と子 李節子編著
日本全国で外国人の親を持つ子どもは、1996年現在で37人に1人という。その背景には国際結婚、外国籍住民の急増がある。「子どもの国際化」が急速に進んでいる。
それに伴い在日外国人の母子保健・健康の向上問題が切実に提起されている。母子保健のテーマは、保健・医療・福祉、保育、小中学校、教育の分野、さらには経済・社会の広い領域にまたがる。しかし、これまでは「在日外国人の母子保健」に関するテキスト・教科書は皆無だった。
「日本で生まれるすべての子どもが楽しく健やかに育つことの一助となることを願って」(「はしがき」)出版された本書は、これらの領域の第一線で働く人たちを筆者に「在日外国人の母子保健」の基本理念と、その実際を分かりやすく現実に則して解説している。定価=3400円+税。医学書院。東京都文京区本郷5−24−3 TEL 03−3817−5600