文化通信
●「韓国文壇裏面史」出版
著者は文芸評論家のカン・ホジン氏で、その資料の豊富さから専門家の間で注目されている。
近代文学の始まりから、1960年代までの文学の主要項目を文人たちの回顧と証言、エピソードなどを織り交ぜながらまとめたものだ。
近代短編小説を確立した金東仁(キム・ドンイン、1900〜51年)が東京に留学中、下宿部屋で寝ながら小説を書いた話、また3・1独立運動時に、ピョンヤンで反日的な印刷物を配り、懲役刑を受けた経験を基に数々の挑戦的な作品を書き上げた話などは実に興味深い。
また、金洙暎(キム・スヨン、1921〜68年)は、少し酒癖の悪い詩人であったが、変化する時代に密着した作品を書き上げた、と指摘している。
●ロシアで安重根を追悼する回覧文発見
独立運動家・安重根(アン・ジュングン、1879〜1910年)が処刑された直後、ロシア沿海州地域の同胞たちが彼の追悼行事を通して、民族意識を高めようと回覧文を配った。去る10月、その回覧文が発見された。
高麗学術文化財団がウラジオストクの極東文書保管所で発見した回覧文には、安重根を失った悲しみを訴え、彼の意思を継いでまい進していこうと、書かれている。
同財団は、回覧文は当時、ロシア一帯で義兵活動を繰り広げていた同胞たちが、1910年3月、旅順監獄で処刑された安重根を追悼し、在ロ同胞たちの民族意識を高揚させるために配ったと分析している。
一方、26日にはソウル・南山にある安重根義士記念館で「韓国独立運動史研究所」の主催で学術会議が行われ、回覧文をめぐって議論を展開した。