BOOK


☆『生まれたらそこがふるさと・在日朝鮮人文学論』川村湊著

 著者は、故郷と異郷の狭間(はざま)で生まれた文学である在日朝鮮人文学を「 日本語 で 在日朝鮮人 を主題や、素材として書いた文学」と定義したうえで、戦前戦後の金史良(キム・サリャン)、許南麒(ホ・ナムギ)、そして、現在の作家たちを通してその変貌過程をたどっている(平凡社 2400円+税)

 

☆ 明るい21世紀を 朝鮮学校学生の入賞文集

 今、朝鮮学校の学生は、民族性を大切にしながら日本と世界に対して、前向きに生きようと努力している。1988年以後に日本各地の作文コンクール、弁論大会で入賞した作品を網羅した本書は朝鮮学生たちの生き方、物の見方などを知るうえで参考になる。(問い合わせ=学友書房 TEL 03−5392−1181)

☆ 写真は心で撮ろう 石川文洋著

 時には「戦場カメラマン」として、ベトナム戦争の最前線に赴いた経験もある著者が、「写真は心で」という。
 誰でも写真を撮れる時代、「もっと撮影を楽しんで下さい」と言いながら、著書からはプロとしての技術的なことに加え、温かい心とクールな視点で撮影に臨んでいることが伝わる。(岩波ジュニア新書700円+税)