ヒットの真相/携帯電話
好調 iモード、追う他社
若者やビジネスマンを中心に、今やコミュニケーションアイテムとして完全に定着した携帯電話。加入者数は、携帯電話4628万8000台、簡易型携帯電話(PHS)565万2000台、計5194万台(9月末現在、郵政省発表)に達し、現在も右肩上がりを続けている。
中でも絶好調なのが、NTT移動通信網(ドコモ)グループの携帯電話サービス「iモード」だ。
iモードは、液晶画面を使った情報発信サービス。質量共に充実した情報内容が、メインターゲットである若者の心をつかんだのが、好評の理由だ。
iモードには現在、航空券など各種チケットの予約、銀行振込、ニュース、賃貸住宅の検索など242の情報サイトがある。Eメールの送受信、ホームページの検索や作成・発信も可能だ。
2月のサービス開始から契約数はうなぎのぼりで、半年で100万台、その2ヵ月後の今月には200万台を突破。まさにiモード効果は絶大と言える。
携帯電話市場は、圧倒的な地域カバー率を誇るドコモグループを、CM効果ときめ細かなサービス設定が受けている日本テレコム系のJフォングループと、音質重視の新方式「cdmaOne」(シーディーエムエー・ワン)が人気の日本移動通信(IDO)・DDIセルラーグループが追う展開。この「3強」が激しいシェア争いを繰り広げている。
Jフォン、IDO・DDI両グループも、携帯電話の加入者数増加に伴い、契約数を順調に伸ばしている。懸案の地域カバー率も全国に広がり、ドコモ追撃へ態勢は万全だ。
一方、携帯電話に加入者数で大きく水を開けられたPHSも巻き返しに必死。
高速移動中の通話ができないという欠点を独自の技術で克服したDDIポケット電話グループの新サービス「H」(エッジ)など、様々なアプローチで「PHSは使えない」というイメージの一新を図っている。