こんなにある同胞登山クラブ/各地に7000人以上の愛好家
低・名山でウォーキング/年初の初登りを恒例化/3000メートル級の本格志向派も
在日本朝鮮人登山協会(金英会長)主催による第5回在日同胞登山の集いが11月6日〜8日、滋賀県の伊吹山を中心に行われる。
同協会が結成されたのは95年8月20日。金英会長によれば、登山愛好家は当時、約2000人だったが、現在では7000人以上に増えているという。昨年10月12日〜13日には金剛山にも登った。
都道府県単位では、94年4月15日に西東京で最初の登山協会が結成されたのを皮切りに、現在は15にのぼる。支部や分会、地域、各階層別の登山クラブを数えれば100以上になると推測される。
山の仲間を作り、同胞登山愛好家のネットワーク作りの一助になることを願いながら、本紙の独自取材に基づいて、各県単位の同胞登山クラブを紹介する(順不同)。(1)は名称と結成日(カッコ内は代表者名)、(2)は会員数と平均年代、会員の男女比、会費の有無、会報の有無、クラブ旗の有無、(3)は主な活動内容やモットーなどである。(卞喜載記者)
※在日本朝鮮人体育連合会 東京都文京区白山4−33−14 TEL 03−3816−4357
※在日本朝鮮人登山協会 東京都町田市原町田1−24−1 TEL 042−726−9797(金英会長宅)
西東京
(1)西東京同胞登山協会(金英)。94年4月15日。
(2)200人。50代、1対1。会費無し。会報無し。旗有り。
(3)日帰り中心だが、健脚者は山小屋泊りも。年4回。穂高連峰、甲斐駒ケ岳、御獄山、高尾山。
95年以後、毎年1月3日に新年初登山を、また96年からは4月の花見登山も恒例化。夏は健脚者対象の3000メートル級の登山を企画し、秋は紅葉登山などバラエティーに富んだ山行をしている。
「健康は山で。皆で登ればなお楽しい」。なお各支部には町田山友会、中部登山会、南部登山会、西部登山会、東部登山会、八王子登山会などがある。
九州
福岡、長崎、佐賀、大分の4県では、各県ごとに登山クラブがあるが、同胞数が少ないため、在日本朝鮮人九州登山協会(趙明洙)が作られ、共同の山行計画のもと連携を強めている。
福岡
(1)在日本朝鮮人福岡県登山協会(趙明洙)。96年12月6日。
(2)30人。40代。6対4。会費年1万円。会報無し。旗有り。
(3)日帰り。健脚者は山小屋泊りやテント泊りも。年15回。大山、大崩山、槍ケ岳、祖母山、石鎚山。
長崎
(1)在日本朝鮮人長崎県登山協会(金炯潤)。97年3月3日。
(2)9人。40代。10対0。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰りと山小屋泊り。年12回。普賢岳、黒髪山、天山、大崩山。
佐賀
(1)在日本朝鮮人佐賀県登山協会(朴学津)。97年12月10日。
(2)10人。40代。7対3。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り。年5回。天山、黒髪山、久住山、根子岳、中岳。
大分
(1)在日本朝鮮人大分県登山協会(金慶仲)。97年2月8日。
(2)15人。40代。10対0。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰りと山小屋泊り。年4回。由布岳、祖母山、九重山。
群馬
(1)在日本朝鮮人群馬県登山協会(別名、群馬コリアンウォーキング倶楽部・金載英)。97年6月10日。
(2)43人。40代。2対3。会費年3000円。会報有り(年4回発行、今後カラー化の予定)。
(3)群馬県および近県の山を日帰りで。年に1〜2回はバスハイク。白馬岳、上高地、美ケ原。数年後の海外トレッキングも展望。
「群馬在住同胞の中に登山を普及、発展させ、登山を通じて同胞の健康と親睦、団結を促進する。強い意志を育み、自然を愛する豊かな心を求める」。
結成1周年時にはアンケート調査も実施し、会員の意見・希望を反映したバラエティーに富んだ山行も企画した。パンフ「登山の基礎知識」も発行、技術の向上も図っている。
兵庫
(1)兵庫同胞登山協会(崔種楽)。99年3月10日。
(2)約150人。50代後半。7対3。山行時に500円程度。会報有り。旗有り(神戸朝高3年の崔景林さんがデザイン)。
(3)日帰り。年2回、六甲山を中心に。「自然を愛し、同胞の親睦を深め、いつまでも健康で」。
兵庫県には阪神、宝塚、住吉、東神戸、西神戸、明石、姫路など9つの地域に各名称のある登山会があり活動している。兵庫同胞登山協会は、これらの登山会をまとめ年2回程度、一同に会し親睦を深めるのを目的に結成。肩肘を張らず、強制もせず、その時の気分で参加する。同胞たちが集い、憩いの場になればとの思いだ。祖国統一すれば南北の峰々を縦断しようとの夢も描いている。
東京
(1)東京山遊会(金鉄山)。95年8月18日。
(2)160人。50代末。1対1。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り、都単位では春、秋の年2回。全国的な在日同胞登山の集いには必ず参加。低・名山を中心にウォーキング。高尾山、日和田山、鎌倉アルプスなど。
「趣味を一緒にする人が集まり、自然の中で喜びを共に味わおう」
なお支部単位では葛飾の百日紅、板橋の健脚会、大田同胞ハイキング会などがある。とくに健脚会は10年近く前に結成され、すでに50回以上の山行をしている。
千葉
(1)在日本朝鮮人千葉県登山協会(金宗一)。98年5月21日。
(2)150人、40代、1対1。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り、年に2〜3回、尾瀬、大山、筑波山。
「触れ合い、知り合い、語り合い」。民族性を高め、親睦を深め、支部との連携も強める。
千葉は範囲が広く、県単位で集まっていくのが難しいので、千葉、西部、東葛の3支部にある登山クラブが中心に山行をしている。高い山よりも、誰でも参加できる山を選んで登山、ハイキングを楽しんでいる。
埼玉
(1)埼玉同胞ウォーキングクラブ「青峰会」(金東河)。96年11月17日。
(2)42人。50代。1対3。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り中心。年に2回程度。日和田山、物見山、大霧山、高尾山。
「各界同胞を網羅し、その趣向に合った集いを組織し、互いの団結を図る」。
支部単位では中部と南部に登山クラブがある。
長野
(1)長野同胞登山クラブ(河龍佑)。94年6月19日。
(2)10人。30代。8対2。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り。山小屋泊りも。年2回。クラブ結成の前にアンケート調査をし、会員も募集して集めた。
本格的登山を志向し、槍ケ岳、奥穂高岳、乗鞍岳、焼岳、白馬岳など長野県下の3000メートル前後の高い山、北アルプス連峰は基本的にすべて登った。
世界最高峰のエベレストをはじめ海外の山も目指そうとしている。
広島
(1)広島同胞登山会(崔海文)。95年7月8日。
(2)40人。60代。1対1。年会費3000円。通信「広島同胞登山会」(登山予定表)。旗無し。
(3)日帰り。基本的に毎週で年約50回。支部や分会の予定がある時は、そちらを優先させるため土曜日に変更する。結成以来、通算200回以上の山行を重ねる。九重山、阿蘇山、恐漢山、安芸小富士。
「常に気持ちを若く、心と体をリフレッシュ」。女性がとくに熱心であり、第2の青春を楽しんでいる。
登山の人気が非常に高いが、全国的な運動として中央と同時に各ブロックでも登山会があればと思っている。
岡山
(1)歩歩クラブ(全悦子)。98年4月1日。
(2)16人。60代。1対9。会費無し。会報無し。旗無し。
(3)日帰り。年3回。岡山市主催の山歩きなどにも参加。瀬戸内しまなみ海道。 「老若男女を問わず、若さと健康のために歩け歩け!」
茨城
(1)茨城山楽会(金富顕)。97年4月1日。
(2)25人。50代。1対1。年会費1000円。会報無し。旗無し。
(3)日帰り、年4回、筑波山、男体山、磐梯山。
「登山を通じて同胞の健康増進と親睦を深める」
子どもや孫も参加しており、家族揃っての山行を楽しんでいる。他県の活動も朝鮮新報を通じて知り同胞登山愛好家のネットワークを広げようとしている。