取材ノート/いつまでも青空のような心を
担当が時事なので、日本、国際、南北朝鮮など扱う分野が広い。現場に行けるものもあるが、様々な制約で行けないことも多いので、新聞や雑誌、インターネットを見る機会が増えた。
そんななか最近、「取材に行きたい」と、心踊らされた記事があった。南の小学生たちが金剛山にスケッチ旅行に出かけた、女性誌のニュースだ。
8月中旬に行われたこの行事は南のハナ銀行が主催したもので、毎年同銀行が行っている「自然を愛するポスター大会」に入賞した子供たち46人が対象だ。
生徒たちの絵を見て、幸せな気持ちになった。金剛山の岩の影から虎、熊、ウサギがのぞいているものや、観覧した牡丹峰サーカスを再現した絵…。
三日浦の美しさに感動したというリ・ジョンヒョン君(小1)は「こんな綺麗な所に住んでいる北のチング(友達)がうらやましい。友達になって暗い夜に手をつないで星旅行に行くのが夢です。ハナ銀行のおじさん、おばさんありがとう。僕の住む所には星がないので今度は北のチングと星旅行に連れていって下さい」と語った。
子供たちの感想は、初めてのものに接した好奇心とともに、分断の状況を鋭く表現していた。
暑い日照りの中で黙々と働く農民を目にし、「北の友だちと話したかった」と語ったキム・ミョンチョル君(小5)。近い場所なのに、なんで船に乗っていかなければならないの? といった疑問の数々。子供たちの純粋さに、「そうでない現実」が一層重くのしかかってくる。
曇りがちな大人の目を洗い流してくれた子供たち。スケッチに描かれた、青空のような心をいつまでも大切にしてほしい。(張慧純記者)