東京でキムチのあり方考えるシンポ/「自然発酵こそ命」
朝鮮古来の自然発酵させたものだけをキムチと呼ぶか、添加物や科学調味料で発酵状態を人工的に作った日本の「浅漬け」もキムチと認めるべきか――。「キムチの定義とは何か」という問題と、今後のキムチのあり方について考えるシンポジウム「キムチの生命」(「在日本韓国食品協議会」主催、月刊「焼肉文化」後援)が17日、東京都千代田区の「韓国YMCA」で開かれ、百余人が参加した。
まず、月刊「焼肉文化」代表の朴健市氏が基調報告した。朴氏は、日本人がキムチに親しみをもって接するようになったことが、日本のキムチ生産・輸出量の急増につながったことは評価しながらも、自然発酵を人工的に妨げる日本の製法を非難。「自然発酵こそキムチの命。日本型の『添加物漬け』を同じキムチと認めても良いものか疑問だ」と強調した。
続いて、5人のパネラーによるパネルディスカッションが行われた。
イラストレーターの山中進氏は「キムチは本来、発酵の過程を味わう食品であり、添加物を認めるのは問題だ」と語り、朝鮮の地域や風土、人柄に支えられてきたキムチを日本の規格に当てはめることに苦言を呈した。
また「在日本韓国食品協議会」会長の金永悦氏は、発酵を装った日本の「インスタントキムチ」は、発酵させることが前提にある南のキムチとは大きくかけ離れており、一つに括れるものではないと主張。「消費者には、健康にも良い伝統的な発酵キムチを、自分の目で選択してほしい」と指摘した。