ウリ民族の風習、伝統/チェサ(祭祀)(3)キジェ(忌祭)前に準備すること


チバン(位はい)と器具類

 キジェ(忌祭)を行う前に、どういったものを準備しなければならないのか。

 まずは、チバン(紙榜)と故人の肖像写真が必要だ。

 チバンは故人の法名(ほうみょう)を白の紙に記したもの(日本でいう位はい)で、故人の魂が入っている位置、神位を表す。紙の中央にくるように、漢字で書くのが普通で、縦22センチ、幅6センチくらいが目安だ。そして、一般的には墨で次のように書く。

 ・父の場合=顯考学生府君神位

 顯考は亡父を意味し、学生は社会的地位のなかった人の場合。何らかの地位のあった人は職位名を書く。府君は故人または故人の祖先に対する敬称の意味だ。

 ・母の場合=顯妣孺人◎◎○氏神位

 顯妣は亡母をいう。孺人は父の妻をいう。◎◎には本貫(始祖の出身地名をさす)、○は姓を記入する。

 ・祖父の場合=顯祖考学生府君神位

 ・祖母の場合=顯祖妣孺人◎◎○氏神位

 顯祖考は祖父、顯祖妣は祖母をさす。

 

 次に、以下のような伝統的な祭器具類が必要である。

 ・チェサン(祭床)ー祭壇のテーブル。
 ・ピョンプン(屏風)ー神位の後ろに立てる物。
 ・チェギ(祭器)ーチェサの供物用の器。
 ・キョウイ(交椅)ーチバン、故人の写真をおく台。
 ・ヒャンロ(香炉)ー香木を焚く炉。
 ・ヒャンハップ(香盒)ー香の入れ物。
 ・チョクデー燭台(しょくだい)、ロウソクを立てる物。
 ・モサギ(茅沙器)ー白い砂を盛った器。茅(ちがや)を束ねて、その砂に立てる。
 ・トッチャリ(ござ)ーチェサンの下に敷く物。