総聯分会代表者大会1999/分会とは? ―参加者に聞いてみました


 「総聯分会代表者大会―1999」(16〜17日、東京)に参加した、地域同胞の笑顔のためにボランティアで日々励む分会長ら約20人に、(1)分会とはどんな存在か(2)地域同胞社会における必要性(3)今後のあり方――について聞いてみた。(韓東賢、張慧純記者)

 

あなたにとってどういう存在ですか

 「生活の一部」(総聯兵庫・尻池分会の康孟徳分会長、総聯山口・西宇部分会の尹功分会長、総聯広島・福山分会の李正晴分会長)

 「家族と同じ」(女性同盟福岡・和白分会の朴静子分会長、総聯大阪・太平寺分会の権徳圭分会長)

 「同胞たちの生活拠点」 (総聯兵庫・大池分会の崔敏夫分会長、総聯京都・花園分会の朴正成分会長)

 「分散して暮らす同胞の心の拠り所、民族としての自主性を発揮できる場」(女性同盟埼玉・桶川分会の李紀栄分会長)

 「民族を意識する場、心の拠り所」(総聯西東京・西武分会の車東一分会長)

 「民族、祖国と向き合う場所」(総聯大阪・田島三分会の田光春分会長)

 「地域社会に生活する同胞たちとの長い付き合いによって根付いた信頼関係そのもの」(総聯大阪・東分会の禹成勲副分会長)

 「同胞たちが集まる場所」(女性同盟京都・花園分会の金華蓮分会長)

 「何でも言える憩いの場」(女性同盟秋田・秋田分会の全美順分会長)

 「大切なつながり、コミュニケーションの場」(女性同盟岡山・緑町分会の林広枝分会長)

 

地域同胞社会に必要だと思いますか

 「必要だと思う。『遠くの親類より近くの他人』という言葉もあるし、日本人の中で生活している私たちに、同胞同士の交流の場は必要。それも小規模な、地域に密着したものが求められる」(女性同盟福岡・和白分会の朴静子分会長)

 「権利とか、分会のような組織が解決すべきいろいろな問題があるし、人の情が行き交う場が必要だから」(総聯大阪・太平寺分会の権徳圭分会長)

 「一見地味だけど一番大事」(女性同盟岡山・緑町分会の林広枝分会長)

 「必要だ。価値観が多様化している中、同胞の間での細かい接触がなくなると、在日同胞社会がだんだん壊れてしまう」(女性同盟愛知・猪子石分会の崔末英分会長)

 「必要。同胞たちの心の支えだから」(女性同盟兵庫・尻池分会の金光代分会長)

 「同胞が分散して暮らしている秋田ではとくに必要」(女性同盟秋田・秋田分会の全美順分会長)

 「地域同胞社会にとってなくてはならない団体だと思う」(女性同盟群馬・高崎分会の昔静姫分会長)

 「祖国統一までは、民族性を守っていくためにもどうしても必要」(総聯大阪・田島3分会の田光春分会長)

 

今後のあり方についてどう思いますか

 「今までのいいところをさらに改善、発展させると同時に、新しい時代、世代に合わせた活動をしなくてはだめ」(女性同盟兵庫・尻池分会の金光代分会長)

 「日本に暮らしているという条件に合わせて活動していかなくてはいけない」(総聯兵庫・大池分会の崔敏夫分会長)

 「同胞たちが何を願い、求めているかをよく知り、それを実践していく努力を」(総聯山口・西宇部分会の尹功分会長)

 「もっと大きな家族、一つの村みたいになっていけば」(総聯大阪・太平寺分会の権徳圭分会長)

 「同胞に愛され、必要だと言ってもらえる分会にしたい」(総聯広島・福山分会の李正晴分会長)

 「3、4世が集うことのできる場を作らなくては。集まることで同胞愛が生まれ、つながりが深まっていく」(女性同盟福岡・和白分会の朴静子分会長)

 「今は総聯の活動に理解のある人ばかり集まっているのが現実。日常生活で困っていることを一つ一つ解決していく中で、自然とお互いが助け合う形になっていくのがいいだろう」(女性同盟愛知・猪子石分会の崔末英分会長)

 「縦のつながりを大切にしながらも分会の独自性を育てていく。また日本の現状、時代の流れを見落としてはいけない」(女性同盟埼玉・桶川分会の李紀栄分会長)

 「時代の流れをもっと敏感に取り入れ、自らが同胞と運命共同体だという気持ちを強く持って取り組んでいく」(総聯西東京・西武分会の車東1分会長)

 「高齢者の役に立つことをたくさんしたい」(女性同盟群馬・高崎分会の昔静姫分会長)

 

大会報告の骨子

 総聯分会代表者大会1999で総聯中央の徐萬述第1副議長が行った報告「愛国愛族の旗じるしを高く掲げ、同胞愛で団結した力で新世紀の分会活動を創造していこう」の骨子は次のとおり。

1、愛国愛族の伝統を引き継ぎながら分会活動を新たに発展させるために

 3世、4世が同胞社会の主役となり、同胞の生活スタイルが変化するにしたがい、分会の姿も従来とは大きく変わり、分会で行うべき活動も多様化した。総聯が、1世が積み上げた愛国愛族の業績を引き継ぎながらも、新たな高揚を起こしていくためには、基層組織である分会の活動が転換されなくてはならない。

2、分会を、同胞たちが互いに助け合いながら仲睦まじく暮らす生活の場にしていくことについて

 (1)同胞たちとの活動

 分会では、同胞たちのニーズに応じて、その生活を助ける活動を中心にし、同胞たちの子どもの教育問題に尽力しなくてはならない。さらに、同胞が集う様々な場をたくさん設け、同胞たちが民族的な誇りを抱きながら仲睦まじく暮らせるようにしていくべきだ。

 (2)日本住民との活動

 われわれが日本の地で安心して生活するには、民族的尊厳を守りながらも、地域住民としての協調性も必要だ。分会では、日本住民らと各種文化・スポーツ行事も一緒に行い、福祉や環境問題など地域社会に寄与する活動でも共に協力していくべきだろう。

 (3)祖国の富強発展と国の統一のための活動

 世代が変わっても祖国統一を願う熱い思いが受け継がれるようにし、国の統一を早めるための活動に積極的に参加するようにする。

3、「愛国愛族分会創造運動」を一層力強く繰り広げていくことについて

 「愛国愛族分会創造運動」は、同胞愛で結ばれ助け合う仲睦まじい同胞トンネ(むら)を作っていくことを基本的な目的としながら、総聯、民団、組織に属していない同胞、日本国籍の同胞など、みんなが同じ地域の「ご近所同士」として家族のように参加することを目標とする、対象の幅の広い運動だ。総聯、女性同盟の分会をはじめ各単位は、自己の特性と自立性、創意工夫を生かした多彩な形で運動を行い、同胞生活密着、新世代中心、幅の広い同胞参加型の新たな分会の形を創造していこう。