BOOK/コリアブックレット「隣人はよきパートナー いま、在日朝鮮人問題を考える」


 コリアブックレット「隣人はよきパートナー いま、在日朝鮮人問題を考える」が9月20日、朝鮮新報社から出版された。

 朝米関係の新しい里程標となる、先頃の米国の共和国に対する「制裁」緩和措置を受け、朝・日関係の正常化を求める声は、一段と高まっている。

 こうした中で出版されたブックレットは、日本を代表する各界の識者をはじめ、情勢が緊張するこの数年の厳しい環境下でも地道に日朝友好運動を続けた12人がそれぞれの語り口で両国の関係正常化と在日朝鮮人との真の共生について語っている。

 例えば、本書の冒頭に収録された森清範・清水寺貫主は長い日朝仏教交流の歴史を語りながら「私は朝鮮問題というのは、日本人にとって跨いでは通ることができない、という信念をもつようになり、これまで朝鮮はもとより在日朝鮮人のみなさんとの親交を心がけてきた」と熱い思いを吐露する。

 また、奈良市に住む女性らが、マスコミによる憎悪むき出しの北朝鮮バッシングに疑問を持ち、在日朝鮮人との友情や朝鮮学校との交流に立ち上がる話は感動的だ。(「大阪朝高に横断幕を贈って」・木村宥子)

 さらにジャーナリストの野田峰雄氏と弁護士・広瀬理夫氏による対談「核疑惑と羅勲殺人事件を結ぶもの」は、94年の「核疑惑」の最中に起こった朝鮮総聯大阪府本部、京都府本部への不当な弾圧事件と昨年10月に発生した朝鮮総聯千葉支部羅勲副委員長殺人事件の政治的背景について鋭く切り込みながら、日本政府の有事法制化の企図を暴露している。

 本書の注文は、朝鮮総聯中央本部の国際統一局へ。TEL 03−3262−7111、価格=400円。