経営トレンド/キャッシュフロー計算書


 キャッシュフロー計算書とは、一会計期間における資金の「入り」と「出」の状況を、営業活動、投資活動、財務活動の3つの区分別に表したもの。99年4月1日以降の開始事業年度から、公開会社が有価証券報告書などに記載される連結財務諸表の中で開示しなければならなくなった。

 対象となる資金の範囲は、(1)現金と(2)現金同等物だ。

 前者には、手元現金のほか、当座預金、普通預金、通知預金などの要求払預金が含まれる。

 後者に含まれるのは、取得日から満期日または償還日までの期間が3ヵ月以内の定期預金、譲渡性預金、公社債投資信託など、容易に換金可能で、かつ価値の変動リスクがわずかな短期投資だ。したがって、一般に価値変動リスクが高い株式は、現金同等物に含まれないことになる。

 もとより、公開会社以外の中小法人には関係のないものではあるが、これを無縁と切り捨てるべきではない。

 キャッシュフロー計算書を作成すれば、企業の資金の動きを正確に把握し、効率良く使われているかどうかの分析が容易になる。また、売上重視の経営から、投資の回収効率を重視するキャッシュフロー経営への移行を促すだろう。

 キャッシュフロー経営が主流になっていけば、銀行の審査基準も、担保の有無から収益力に変ってくるはずだ。その場合、キャッシュフロー計算書が判断材料になるだろう。