データでみる同胞社会/数字が示す多様な顔


人口動態

進む小子化、高齢化

 1998年と25年前を比べてみると、在日朝鮮人社会でも高齢化、少子化が進んでいることが一目でわかる。

 国連の定義では人口に占める65歳以上の割合が14%を越えるとその社会は高齢社会になるが、日本は94年に高齢社会に突入し、2000年には高齢化率が17%に達し世界1の高齢国になると予想されている。(厚生省)

 98年の統計では、65歳以上の同胞は7万772人で、高齢化率は11%。

 同胞社会の年齢別構成比は日本のそれと類似しており、したがって21世紀には高齢化問題がより深刻になるのは必至だ。

 それに備えた同胞社会のネットワーク作りが今まさに求められている。

表1 年令別在日朝鮮人数構成比

 

同胞結婚

84年に50%割る

 在日朝鮮人社会における民族結婚は、2、3世が結婚適齢期に入った1960年代から減少し始めた。

 84年にはじめて50%を割り、90年は30%を切った。表に見るとおり、同胞女性の国際結婚率が男性に比べ圧倒的に高い。

表2 同胞の婚姻状況

 

職業

サービス、販売業増える

 在日朝鮮人の職業は解放前はほとんどが労働者だったが、解放後日本に定着するようになってからは様々な職種に広がってきた。

 1959年からの推移をみると、農林業、漁業、採鉱・採石従事者は減少した反面、管理的職業(社長、監査役など)、事務、販売、サービス業が増えている。技能者・生産工程従事者すなわち生産・製造業に従事している同胞も多い。

表3 在日朝鮮人のおもな職業分布
(人口構成比%、1998年は上位10位)

  1998 1974
事務従事者 8.3 3.3
販売従事者 5.4 3.6
技能者・生産工程従事者 5.1 5.5
管理的職業従事者 2.8 0.8
サービス業従事者 1.8 0.5
医療・保健技術者 0.7 0.1
一般労働者 0.5 2.6
教員 0.4 0.2
技術者 0.4 0.1
無職(主婦、学生) 72.0 59.5

(「在留外国人統計」平成11年、昭和50年版)
※1974年のデータ中「不詳」が17.3%

 

表4 在日朝鮮人の本籍地

慶尚南道 35.32%
慶尚北道 22.78%
済州道 17.38%
京畿道 9.32%
全羅南道 7.75%
その他 7.45%

(98年現在、「在留外国人統計」平成11年版)