みんなの健康Q&A/糖尿病(1)どんな病気?


だるさ感じ、どんどん減る体重/遺伝、生活のみだれで発病

しんクリニック 辛浩基院長

  何が原因となり、どのような病気なのですか

  糖尿病の患者さんには、家系に糖尿病の人がいる場合が多く、このような遺伝的体質を持つ人に、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎ、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣の乱れが加わって発病するといわれています。

 インスリンは血液の中にある血糖値を下げるホルモンです。糖尿病はすい臓から分泌されるインスリンがうまく分泌されなかったり、うまく利用されずに血液中にブドウ糖が多くなり高血糖となります。この高血糖が糖尿病の特徴なのです。

  どのような症状が出るのですか

  糖尿病の初期にはほとんど症状はありません。ある程度進行するとのどが乾き、水分をたくさん摂るようになり、尿の量や回数が増えていきます。夜中にトイレに起きるようになるのもそうです。だるさを感じ、体重がどんどん減っていきます。さらに悪化すると、いろいろな合併症が出てきます。

  全国にどれくらいの患者さんがいるのですか

  最近の厚生省の調査によると、約690万人の糖尿病の人がいるとされています。これは40歳以上の10人に1人が糖尿病という計算になります。

 さらに、糖尿病の可能性を否定できない「糖尿病予備軍」まで合わせると、その約2倍の1370万人に達すると推定されます。

  糖尿病はどのように診断するのですか

  朝食前の血糖値は正常の人で80〜110r/dlですが、その値が126r/dl以上であれば糖尿病と診断します。空腹時、血糖値が正常値でも先に述べた症状がある場合は、ブドウ糖のジュースを飲み(経口ブドウ糖負荷試験)、2時間の血糖値が200r/dl以上(正常者は140r/dl)の場合、糖尿病と診断します。

  治るのでしょうか

  糖尿病の治療は、他の疾患の治療と基本的に大きく異なります。残念ながら現代医学では完全に治すことは出来ません。しかし、医師の適切な診断と治療、そして患者さんの心がけで健康な人と変わらない生活を送ることが出来ます。糖尿病とうまく「つきあいながら」生活していくことを一般に「糖尿病(血糖)をコントロール」するという言葉で表現します。

 医師による適切な診断と治療は言うまでもありませんが、糖尿病の基本治療となる最も大事な食事療法と運動療法に関しては、患者さん自身が主治医です。つまり糖尿病は、自己管理が重要な病気なのです。(東京都大田区西蒲田7―5―11、TEL 03−3738−1112)

(次回は合併症)