春夏秋冬


 ▼新しく生まれ変わった本紙第1号を発行した。読者の受け止め方、反応はどうだろうか? 不安と期待が入り交じる。しかし正直なところは、不安が大きい。世代交代、ライフスタイル、考えの多様化…など、その現実を目の当たりにしながら、横目でさらりと受け流してきたそれまでの体質と決別できたのかどうか

 ▼一朝一夕に事は変わらないというが、変えないと同胞社会のありのままの姿を知り紙面に反映させていくことはできない。すでに遊離してしまっている読者との距離が、さらに遠くなってしまう。深い自戒の念を込めて、もう後がないことを胸に刻む次第だ

 ▼それにしても、トップ記事の「21世紀、私は… トンポたちの夢、希望、計画、目標、展望、願い。」の企画を編集しながら、同胞社会の一昔前とはまったく様相を異にした現実に改めて驚かされた。朝鮮語講師、自営業に始まり日本の大学講師・新聞記者・教育委員会相談員、デザイナー、医師、プロスポーツ選手、米留学生と、まさに職業は多岐にわたる

 ▼そして、彼らの語る「夢」も、民族をキーワードにしながらまさに多彩である。時間をかけて調査をすれば、もっと違ったものが出てきたのは言うまでもない。様々な顔と志向性を持ち合わせた同胞社会。それを一つの形にしてまとめることは不可能だろうが、民族という大きな流れの中で共に助け合い刺激を与えながら生きていくことは可能ではないか

 ▼その場の提供者として生まれ変わった本紙。自分の夢を語り、悩みを吐露し、意見をたたかわせる。積極的に活用してくれるよう読者のみなさんにお願いしたい。 (彦)