知ってますか――朝鮮半島初めて/テコンドー


 テコンドーは、朝鮮固有の武術の一つである。

 去る8月29日から9月5日まで、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスと地方都市で行われた第11回世界選手権大会では共和国選手が大活躍し、総合優勝した。

 また、88ソウルオリンピックでは、公開(デモンストレーション)競技として実施され、力強い技に注目が集まった。

 テコンドーの歴史は、1500〜1600年頃にさかのぼるといわれる。高句麗、百済、新羅の三国時代(313〜676年)に生まれた手搏戯(スバクフィ)などの拳法に基づいて生み出された。

 記録によれば、手搏戯は朝鮮の武芸の一つとされている。1692年、平安道博川に住んでいた手搏戯の名手は、拳で石を割ったという。彼を囲んで4人が一斉に石を投げたが、彼は足で蹴り、手刀で払いのけたので、一つも当てることができなかったとも。手とともに足で相手を蹴り倒すテコンドーは、李朝時代に民衆の中に広がった。

 詩調に「若い時節にゃ相撲にテコン、花札に賭け事でうつつをぬかす」と、記されていることから、テコンドーがかなり普及していた事がわかる。

 李朝末期、農民蜂起が続出する中でテコンドーがさらに民衆の中に広がり、組織化することを恐れた両班支配層は、これを制限・禁止する処置をとった。しかし、テコンドーは消える事なく、民衆の中で密かに命脈をつないでいった。

 テコンドーの攻撃の基本姿勢として、「防ぐ、刺す、蹴る」の3つがあるが、いずれも人体の関節部分を独特な方法によって強化して武器にするものだ。

 鍛えられた拳はハンマーになり、指先は槍となり、手刀はまた鋭い刃物以上の力を発揮し、足は鉄の鞭と同じ威力を発揮する。

 この事からテコンドーは、日本空手の原型ともいわれている。