視点
「中身が黄色くホクホクしていて本当においしかった。ほかの産地の物とも食べ比べたが、やはりここのが最高だった」
ジャガイモの主要産地として有名な両江道大紅湍郡。最近は、食糧問題解決のためにジャガイモの増産をめざす共和国におけるモデル地域となっている。冒頭の言葉は昨秋現地を訪れ、実際にジャガイモを食した人たちの感想だ。
彼らのために郡が催した歓迎宴では、ジャガイモ冷麺、ジャガイモチジム、ジャガイモ餃子(皮をジャガイモで作る)など多彩な料理が出てきたという。これらは普段、郡内の家庭で食べられているものだそうだ。
朝中国境に近い酷寒の土地で育ったジャガイモで作るジャガイモ冷麺は仲々の美味。ここで食べた味が忘れられなかったある外国人は、自宅に帰って作ってみたが、現地で食べたほどにはうまくできなかった、などのエピソードも宴会で披露された。
だが一番おいしかったのはベイクド・ポテト。ジャガイモそのものの味を満喫できたからだ。それほど大紅湍郡産のものはおいしいそうだ。
郡内の実験農場も訪れた。そこではスイス、フランス、ドイツ、オランダなどから購入した品種を、区分けして育てていた。味や成育状況を比べて、共和国にあった品種を改良・開発していくためだ。
現地の関係者は、大量に生産できるジャガイモと交換する形で、西海岸の穀倉地帯からコメを購入しているとも話していたという。(聖)