シドニー五輪へ期待されるホープたち/女子フェンシング キム・へヨン選手(18)
共和国のフェンシングの歴史は、本格的に取り入れて10年とまだ浅い。昨年12月のアジア大会が初出場の国際大会となったが、経験の差が勝敗を左右するという定説を覆し、共和国選手は高い実力を見せて人々を驚かせた。
中でもひときわ目を引いたのが、エペ個人と団体に出場したキム・ヘヨン選手(18)。試合では、あふれんばかりの気迫と闘志、高い技術を発揮した。ベテラン選手にも劣らない落ち着いた試合運びは、国際審判員たちをして「今後、必ず世界の舞台で活躍できる選手」と言わしめたほどだ。
共和国がフェンシングに取り組んでいると聞いたのは、13歳の時。好奇心から試合を観覧したキム選手は「紳士的でクリーンなイメージを持った」という。「これは自分に合う競技だ」と直感し、バスケットボールから転向。バスケで培った敏捷性を武器に、次第に頭角を現していった。いわば日本の国体に当たる、白頭山賞(2月)と万景台賞(4月)の両大会を15歳で制覇して以降、国内では無敵の「王者」に君臨する。
そして、アジア大会。個人戦では、日本選手との初戦の快勝で勢いづき、予選リーグを2位で通過。決勝トーナメントでは2回戦で敗れたが、初出場で堂々の8位入賞を果たした。また、団体戦でもベスト8入りに大きく貢献した。
試合後、キム選手は「初の国際大会だったので緊張したが、距離のつかみ方などの技術面や精神的な面で、多くのことを学んだ。これからも国際舞台でやっていける自信がつきました」と感想を語った。
「これまで3回、海外で世界の強豪と練習する機会に恵まれた。祖国の配慮と期待に応えるためにも、国際大会では必ずメダルを勝ち取りたい」と、キム選手は瞳を輝かせた。(高)