視点
じゃがいもは南米の高地に多く野生、あるいは栽培されている近縁種をもとにしてできた。主産地は北欧、北米など。日本には欧州に伝わった後、1598年にオランダ船で長崎に輸入された。
低温でよく育ち、短い期間に多くの収量をあげるので、ごくわずかの間に世界各国に広まり、その価値は測りがたい。食物だけでなく飼料、加工料としての重要さを増しつつある。
成育期間は2〜3ヵ月と短く、成育に高い温度を必要としないので栽培の適地は非常に広い。春のまだ寒い時に植えても、夏の暑い時に植えてもよく成育するので四季を通じて作られる。
田でも畑でも輪作のわずかな合間を利用するのによい。たとえば日本では、稲の前作にする時、麦であると秋の農繁期に蒔かねばならないが、じゃがいもは年を越してから整地に取掛ってもよい。稲の後作とする時は、9月に植えて12月に収穫できる。これほど能率のよい作物はない。
澱粉を主成分とし、味が淡泊なのでパンのように常食にもよい。欧米諸国、ことにドイツ、ポーランド、ロシアでは黒パンとともに主食的な地位にある。
ここ数年、食糧事情に苦しむ共和国では今、このじゃがいもをコメとともに「主食」にするためじゃがいも革命に国をあげて取り組み、2毛作、品種改良、土地整備事業などに力を入れている。両江道が主要産地で咸鏡南・北道、慈江道などの北部高山地帯でも生産が拡大している。 (喜)