安企部による駐独書記官夫妻拉致に関する祖国平和統一委員会声明
祖国平和統一委員会は19日、南朝鮮の安企部が13日、駐独朝鮮利益代表部の金m弼書記官夫妻をヒルトンホテルの前で白昼、拉致したことと関連し、次のような声明を発表した。(中見出しは編集部、朝鮮通信)
僑胞を偽装し接近
この事件は、安企部の計画的な策動である。
安企部は、90年代初からスパイの崔チャンドンを南朝鮮から祖国統一汎民族連合ヨーロッパ地域本部に密かに僑胞として偽装、浸透させ、共和国代表部に接近させる方法でわが国の外交官に対する謀略とスパイ行為を働いた。
とくに安企部は、崔チャンドンを利用して金m弼書記官のコンピュータ入力データを系統的に盗み取り、それを脅迫手段にして書記官を誘引、拉致しようとした。
こうした不純な策動を行う過程で、彼は警戒心の高い現地僑胞によって安企部スパイとして正体が明るみになり、僑胞社会にいられなくなり姿をくらまさざるを得なくなった。
安企部は、崔チャンドンと結託した韓ヒョンスを再び「商売人」に装わせ、共和国の書記官に対する拉致行為を働いた。
13日午前10時、韓は他の3人と共に「B−SS−5787」ナンバーの乗用車で共和国代表部近くのヒルトンホテル前に現れ、わが国の書記官を誘引、拉致しようとした。
しかし書記官が代表部メンバーと共に現れたため韓ヒョンスらは、現場で拉致目的を実現できなくなると、自分が今ソウルにいる崔チャンドンとは旧知であると言って商取り引きに偽装した「事業計画書」なる封筒を渡して去った。
そこには、「0172−3123375 韓ヒョンス」と書かれた紙と共に、すでに盗み取ったデータ目録と秘密提供脅迫の手紙、そして1000ドルが入っていた。さらに韓ヒョンスは同日午後、卑劣な方法で書記官を夫人と共に再びヒルトンホテルに誘い出し、拉致した。
警告に恐れ米に
この重大な事態と関連してわれわれは、板門店連絡ルートを利用して直ちに南朝鮮執権当局に拉致行為の真相を明らかにし、わが国の書記官を原状回復させる旨の原則的立場を明らかにした手紙を送った。
こうした措置は、何としてでも南北関係を悪化させずに、安企部によって発生したこの事件を順調に解決しようとするわれわれの真しな努力の表れである。
にもかかわらず南朝鮮当局は何の関係もないかのように装うため、卑劣な回答書簡を寄せ、責任を免れようとした。
一連の報道によると、安企部は書記官を南朝鮮に連れていこうと3日間、抑留していたが、共和国の断固たる警告措置に恐れをなし彼を米国に急きょ引き渡した。
われわれは、外交官特権を持つわが国の書記官を、ドイツで白昼に拉致した南朝鮮当局のテロ行為を共和国に対する敵対的挑発行為、人権と国際法に対する侵害行為とみなし、強く糾弾する。
1973年8月、東京で旧「中央情報部」によって白昼に拉致されたテロ行為の過去を忘れて、海外で同族の外交官を白昼に拉致した行為は世界の人々を驚かせている。
年明けから行われる南朝鮮当局の拉致は、南北関係に予測しがたい深刻な破局的結果をもたらしている。
南朝鮮当局は、拉致とテロによって事実上、われわれとの和解も、接触も、対話もすべて否定した。
民族の尊厳と自主権を生命とするわれわれは、自国の外交官に対する拉致行為を絶対に傍観せず、必ず高い代価を支払わせるだろう。
原状回復を要求
安企部が拉致したわが国の書記官を現在、米国が確保している条件のもとで、われわれは米国に対しても拉致事件の共犯者として認めざるを得ない。表ではわれわれと平和会談を行いながら、裏では手先と共謀して会談相手側の外交官を拉致する米国の行為は、糾弾を免れず、その結果について全的に責任を負うことになろう。
南朝鮮当局と米国は、朝鮮半島情勢の緩和と南北関係の改善を願うならば、書記官を速やかに無条件で原状復帰させなければならない。