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視点


 第4回4者会談が19〜22日、ジュネーブで開かれる。これに先立ち16日から朝米協議が行われ、会談後の23〜24日にも協議は予定されている。その成り行きは4者会談の進展にも影響を与え、各国も注目している。

 日本のマスコミは、共和国が朝米基本合意文(94年10月)に違反しているため合意維持が困難になり、破棄される恐れもあると騒ぎ、朝米協議では共和国の地下施設問題が焦点になるとしている。これは逆だ。

 基本合意文に違反しているのは米国で、破棄を口にしているのも米国だ。具体的に見よう。

 米国は2003年までに計200万キロワットの軽水炉を共和国に提供することになっているが、提供期限の半分が過ぎた今まで、本格工事に着手できず、いつ完成するか見通しがたたない。毎年50万トン提供する約束の重油も滞納ぎみだ。3ヵ月以内に緩和することになっていた経済制裁は、緩和どころかかえって強化され、新たな追加措置もされた。

 核威嚇をしないと保障するとされたが、北侵核戦争演習は回数や規模、侵略性で一層重大になり、情勢は合意当時よりも後退している。

 そして出てきた「地下核施設疑惑」。米国は査察できなければ「合意破棄、武力行使」を公言しており、「春の危機説」まで言われている。情勢を緊張させているのは誰か。

 これらの点をしっかりとらえたうえで、ジュネーブでの一連の交渉を見守る必要があろう。(喜)