首相に外国人学校の処遇改善を要請/川崎市議会・市長
川崎市議会は昨年12月22日、首相、文相、自治相にあてた「外国人学校卒業生の国立大学受験資格と外国人学校への助成金に関する意見書」を採択。これを受けて高橋清・川崎市長が同趣旨の要望書を首相と文相あてに提出した。
意見書は、朝鮮学校などの外国人学校が学校教育法上の「各種学校」として扱われているため、日本の私学並みの助成を受けていないと指摘。@外国人学校卒業生に対し、日本の国立大学の受験資格を認めることA外国人学校に対し、日本の私立学校と同程度の助成金を交付すること――の2点を日本政府に要望した。
同市では、昨年6月に川崎民族教育推進協議会(金三浩会長)から市議会あてに陳情書が、10月に川崎市外国人市民代表者会議が朝鮮学校など民族学校に対する処遇改善を市や日本政府に求める提言がそれぞれ提出されていた。
朝鮮学校などの処遇改善、差別是正を求めるものとしては愛知県豊明市議会、兵庫県伊丹市議会、山口県光市議会などが、大学受験資格認可と助成の充実などを要望する意見書を採択しているが、川崎市では初めて。
高橋市長は「朝鮮学校などの外国人学校は、日本の学校教育制度に準じた教育を行っている。こうした学校で学ぶ子供たちが自国の言語、歴史などを継承するための教育を受ける権利は保障されるべきで次世代の子供たちに道筋をつけるのが私たちの責務だ」と話していた。
一方、同日、総聯代表らは朝鮮学校の処遇改善問題と関連して、川崎市役所で記者会見を行った。
清水、藤枝市でも意見書
なお地方議会での同様の動きとしては、静岡県清水市議会(12月18日)と藤枝市議会(同月17日)がそれぞれ、首相、文相、自治相にあてて、大学受験資格認定に関する意見書を提出している。