味じまん/焼肉 南大門(山形県酒田市)
オープンしてから今年で17年目。当時から使われているロースターは、毎日欠かさず徹底的に磨かれ、今も新品同様だ。畳や壁紙も、年に一度は貼り替えるという。
「できる限り手間も暇もお金もかけてこそ、お客さんに喜んでもらえるお店になる」
シオモニのお店から暖簾を引き継いで開店した時から、ママの白吟姫さん(50)が守り続けてきたモットーだ。
肉は上質の和牛を使っているが、カルビ680円、塩タン730円、クッパ類700円前後と、価格は手頃。家族5人で平均7〜8000円あれば大丈夫だ。
開店当時は、地域に焼肉店はごく少なく、牛肉より豚肉を好む土地柄もあって、客層は広くなかった。それが今では、日曜日の夜など空席待ちの客が店外にまで並ぶことも珍しくない。
焼肉が人々の生活に浸透した分、焼肉店も増えた。酒田市内でも10軒を数える。ただ、「最近は日本人経営の店に元気があり、地域情報誌が焼肉特集を組んだ時も同胞のお店より多く紹介された。経営面では、日本の人に見習うところも多い」と白さん。「でも、料理といっしょに朝鮮の心を伝えられるのは私たちだけ。シオモニから受け継いだ心を、このお店で末ながく守って行きたい」と話していた。
※営業時間AM10時〜PM11時。木曜日定休。JR酒田駅から車5分。TEL
0234−24−1995