在日朝鮮人への暴行事件、日本各界人士が批判
日本政府による「ミサイル騒動」や在日朝鮮人への暴行事件に対し日本各界人士が本社にコメントを寄せた。(順不同、文責編集部)
根底にむき出しの敵視/早乙女勝元(作家)
日本政府による共和国へのむきだしの敵視政策が日本国民の間にいまだに根強い朝鮮人蔑視、差別感情を刺激し、幼い子供たちへの迫害行動に出た。許し難い卑劣な犯罪行為だ。
一連の嫌がらせの原点には、明治以来の日本による朝鮮侵略によって形成された朝鮮人蔑視がある。それが関東大震災のおりには朝鮮人大虐殺へとエスカレートした。根が深い問題だ。4年前の「核疑惑」騒動の時もそうだったが、子供たちにやつあたりするとは許し難い。
国際社会に恥ずかしい/国弘正雄(英・エジンバラ大学特任客員教授・前参議院議員)
人工衛星をミサイル発射と決め付けた日本政府の一連の朝鮮敵視政策によって、チマ・チョゴリ事件がまたぞろ起きている。先日の国慶節のお祝いに招かれ、「こんな大変な時によくいらして下さった」と声をかけられ恐縮したが、こうした悪質な事件を許している日本社会の現状を見ると、日本人であることを深刻に恥じてしまう。朝鮮の子供たちに向けられた野蛮で心ない事件は昨日、今日の事件ではない。日本人、日本社会に根強い朝鮮蔑視、差別感がこういう形で噴出している。国際社会に対して全く恥ずかしい事件だ。その卑劣さに悔しくて、涙が出る。
感情的な反応やめよ/大江志乃夫(茨城大学名誉教授)
米国がスーダンやアフガニスタンにミサイル攻撃した時には、これを直ちに支持した日本政府が、今度は日本上空を飛ばしたのはけしからん、在日朝鮮人の資産を凍結しろなどと言い出す。
カッカして感情的に反応するだけでは、問題は解決しない。こういう時こそ政治家の出番であり、話し合いのテ
ーブルにつくべきだろう。
まず、北朝鮮にとってネックとなっている食糧支援を直ちに行う必要がある。
17団体が、緊急共同声明
共和国の人工衛星打ち上げにともない朝鮮学校生徒への暴力・脅迫事件が相次いでいることと関連して16日、日本カトリック正義と平和協議会らキリスト教会に連なる17団体が、緊急共同声明を発表した。
声明は一連の事件は日本政府の政策によって再生産されてきた差別意識に基盤をおくものであるとし、日本政府に @朝鮮学校生徒への暴力・脅迫事件を根絶するための具体的措置をただちに行う A1996年に推進した人種差別撤廃条約に従って、民族差別の助長を抑止、禁止する政策をすすめる B学校教育において植民地支配と戦争犯罪の歴史を正しく教える歴史教育と人権教育を推進する C民族学校に対する差別政策を改め、在日「韓国」・朝鮮人の民族教育の権利を認めて保障する、などを求めた。