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自立的民族経済建設路線を最後まで堅持しよう

「労働新聞」と「勤労者」の共同論説(要旨)


 朝鮮労働党機関紙労働新聞と政治理論誌「勤労者」の共同論説「自立的民族経済建設路線を最後まで堅持しよう」(労働新聞17日付に掲載)の要旨は次のとおり。

◇◇

 こんにち、アジアをはじめ世界各地で経済危機が一層深刻化している。経済的混乱が深まる中、帝国主義の支配と従属を排し、経済的自立を求める人民の声が高まっている。これは、朝鮮労働党の自立的民族経済建設路線の正当性を明確に立証するものである。

 自立の道は、金日成主席が開拓し、朝鮮労働党が確固として継いでいく勝利と繁栄の道である。われわれは、党の革命路線に対する大きな誇りと自負を抱き、今後も変わりなく自立の道を進むであろう。

 

自主だけが生きる道である

 自立経済か、対外依存経済かという問題は、初めて提起された問題ではない。この問題は世界的版図ですでに久しい前から重要な論議の対象となってきた。

 自立と依存、これは当該国と地域経済の前途を左右する分岐点である。どちらを選択するかによって、経済建設の目的と方向、経済構造と威力が根本的に変わってくる。ある人は、自立か依存かという歴史の問いに答えることができるのは時間だけだと述べた。今やその問いに答えるときがきた。

 現実は厳格な審判員である。世界の舞台ではこんにち、一時は繁栄していたかのように見えた外勢依存経済が一朝にして破たんする事態が相次いでいる。その苦汁をどこよりも多くなめているのが南朝鮮経済である。南朝鮮では現在、多くの企業が相次いで破産し、生産が急激に減退しており、失業者が急増している。南朝鮮経済は結局、外国によって成長を装った「バブル経済」に過ぎない。

 バブル(泡)ははじけるものである。自分のものはなく、すべて外国資本によって運営される空洞経済が長続きするはずがない。このような経済では、少々の衝撃が甚大な打撃となり、経済全般が一瞬にして崩壊してしまう。これが、「植民地バブル経済」の避けられない運命である。外勢依存は亡国の道であるということが、言葉と理論によってではなく厳然たる事実として立証されている。

 朝鮮人民は初めから自立の道を選択し、一貫して自力更生の旗印のもとに生きてきた誇り高き人民である。朝鮮人民のように一貫して、かくも徹底して、そして苦しみながら自立の道を歩んできた人民は世界にはいない。この道でわれわれが受けた外勢の圧力と干渉、歯を食いしばって切り抜けてきた難関は、何百冊の本にもすべて書ききれないほどだ。

 自立の道は、国と民族の自主権を強固に守っていく道である。

 金正日総書記は次のように指摘した。

 「経済的に自立してこそ、国の独立を強固にして自主的に生きることができるし、思想におけるチュチェ、政治における自主、国防における自衛を確固として保障し、人民に豊かな物質文化生活をもたらすことができます」

 経済的自立は、政治的独立の物質的基礎である。自立経済というしっかりとした柱で支えられていない政治的自主権は、空論に過ぎない。

 民族的復興を志向しない国と民族は世界にない。しかし、民族の復興のために奴隷的な屈従を甘受しなければならないのなら、それは真の繁栄とはなりえない。民族の生命は自主性にある。国を愛する人ならば、民族的尊厳を売ってまでもよい暮らしをしようとする傾向を絶対に許すべきではない。いかなる場合においても、侵害されてはならないのが民族の自主権であり、そのために必要なのが経済的自立である。

 こんにち、わが国が政治分野で自主権を徹底的に堅持しているということは、世界が認める事実である。経済的に外国に縛られていないので、われわれは誰にでも言いたいことをはっきりと言えるのだ。制裁を加えるのなら加えるし、封鎖をするならせよ、われわれは絶対に奴隷にはならない、というのが自立の力で生きていく朝鮮人民の心意気である。敵の反革命的攻勢が集中している中でも、わが国が社会主義の砦として必勝不敗の威力を全世界に誇示しているのは、自主政治が自立経済によって裏打ちされていることに重要な秘訣がある。

 自立路線が確固たる政治的自主性をもたらすとすれば、対外依存路線は必然的に政治的従属を生み出す。国際通貨基金(IMF)の信託統治下に入った南朝鮮では現在、予算作成と証券市場の運営、賃金水準と失業率の調整など、あらゆる経済活動がその監督と統制のもとで行われている。経済体制とその運営方法も、さ細な資金流通も現地の経済「総督」が調整する南朝鮮では、自主政治の影すらも見当たらない。

 民族の自主権は、誰かが与えてくれるものでも、天から降ってくるものでもない。われわれは自主で輝く社会主義祖国の尊厳を限りなく輝かせるために、自立の道に沿って力強く前進するであろう。

 自立の道は、民族経済を活性化させる道、真の繁栄の道である。

 自立的民族経済は、自国の資源と技術、自国人民の力に依拠して自分の足で歩んでいく経済である。これは、自立的民族経済が自らの潜在力とあらゆる可能性を余すところなく動員して、生産と建設を最大限に促すことのできる優れた経済であるということを物語っている。経済を活性化させる真の道は、自立の道以外ありえない。

 自分の力に依拠せず、外資をむやみやたらに導入する方法で経済を立ち直らせるというのは、愚かな妄想である。外資は文字通り最大限の利潤を搾り取るために投じられる外国資本である。世界に、民族経済の発展に貢献した外資はあったためしがなく、またありえない。外資は阿片と同じである。誰もが外資を一度でも手にすると、ますます外資に依存するようになり、挙げ句の果てには莫大な借金をかかえるようになる。それは自殺行為と何ら変わりない。

 民族経済の復興を望むならば、外国資本なしでは生き延びえないと考える対外依存思想を徹底的に排除しなければならない。

 南朝鮮経済は今、これとは正反対の道に進んでいる。南朝鮮経済は元来、外資で延命してきた外資依存経済、債務経済である。無分別な外資導入により、毎年支払う利子だけでも1000億ドルに達している。さらに驚くべきは、南朝鮮統治者が完全破産の直前にある経済を救うとの名目のもと、さらに多くの外資を導入しようとしていることである。外資で滅びた経済を外資導入で立て直そうとするのは、話にもならない。

 われわれの社会主義建設過程は、朝鮮式に自力で経済を発展させてきた道程であった。かつての戦後復興建設期の状況は今よりももっと厳しかったが、われわれは外資導入という言葉すら知らずに生活してきた。旧東欧社会主義諸国が資本主義市場経済に惑わされた時も、われわれは外資に期待をかけなかった。ひたすら自力で活路を開いてきたからこそ、朝鮮人民はいかなる世界的な経済変動にもびくともせず、経済建設を力強く推し進めることができた。

 朝鮮人民は自立の旗印を掲げ、他人が1世紀、果ては数世紀かけて実現した工業化の課題をわずか14年という短い期間で遂行し、世紀的に立ち遅れたこの地に自主、自立、自衛の社会主義強国を築いた。

 われわれが歩んできた道は正しい道であった。たとえ「苦難の行軍」を何百回行おうとも、外勢に経済の命綱を渡すことは絶対にあってはならないという朝鮮人民の信念は確固不動のものである。

 自立の道は、民族の後世の幸福のための道である。

 経済建設は国の万年大計の事業である。民族の繁栄を遂げるためには、少なくとも数世代まで先を見通して経済を建設しなければならない。こうした観点に立てば、誰もが自立の道を選択するだろう。民族の命運をかけて行う巨大な事業を、他人の力を信じて行うことはできない。自立的民族経済こそ、今の世代が後代に譲り渡すことのできる最も貴重な土台になる。

 朝鮮労働党と人民は常に、今日のための今日ではなく、明日のための今日に生きるという観点に立って経済建設を推し進めてきた。われわれが戦後、機械からコメが出るのかと言った反党分派分子の挑戦を粉砕し、自立的な重工業を創設したのも、こんにちは最終勝利をめざす強行軍を行っているのも、後世にもっと立派な経済土台を譲り渡すためである。

 自立的民族経済が未来のための経済であるとすれば、従属経済はその日暮らしの経済である。今、経済が窮地に陥っている南朝鮮では、支配層と財閥が結託し、未来がどのようになろうとも、企業であろうが土地であろうが、金目のものはすべて外国独占資本に売り渡そうとしている。

 こんにちの北と南のまったく異なる現実は、朝鮮人民の心に自立だけが生きる道であるとの真理を一層深く刻んでいる。自立の旗印は、民族自主の旗印、民族繁栄の旗印、永遠の幸福の旗印である。朝鮮人民はいかなる天地風波が迫っても、この旗印を最後まで守り抜くであろう。

 

自主的民族経済の優位性を高く発揮しよう

 帝国主義者と反動勢力は歴史的に、共和国の自立的民族経済を「閉鎖主義」「非効率的な経済」などと決めつけ、非難してきた。彼らはここ数年間、われわれの経済状況が厳しくなるや、それがあたかも共和国経済の欠陥から出たかのように騒ぎ立てている。これは真実をわい曲し、われわれの信念を揺るがそうとする欺まん宣伝にすぎない。

 社会主義自立的民族経済の優位性は、過去も今も絶対的なものである。共和国経済の自立性に問題があって経済的困難に直面しているのではなく、その反対に自立性が強いから、われわれがこんにちの試練を克服できるのである。

 われわれは少しも動揺せず、社会主義自立的民族経済の優位性を発揮させることに全力を傾けるであろう。

 自らの経済土台に徹底的に依拠する確固たる観点を持たなければならない。

 金正日総書記は次のように指摘した。

 「革命と建設の他のすべての活動と同様、経済建設でも自分の力を信じ、それに依拠しなければなりません」

 党と領袖の賢明な指導のもと、朝鮮人民が悪戦苦闘して建設した経済土台は、きわめて威力がある。現在、共和国の重要な地域には大規模な炭鉱と鉱山、発電所、最新技術で装備された金属工場と機械工場、化学工場、軽工業工場がある。全国のすべての市、郡には、地元の原料に基づく数多くの中小規模の地方産業工場がある。

 強固な自立的民族経済の土台があるため、われわれは今回、初の人工衛星を打ち上げるという大きな成果を収めた。共和国が衛星保有国の中に堂々と仲間入りしたことに世界が驚きを禁じ得ないでいる。これは、「延吉爆弾」から始まったわれわれの自力更生の輝かしい結実であり、誰も否定できない自立的民族経済の威力を誇示するものである。

 たとえ試練は続いているとしても、共和国経済の土台はそのまま生きており、さらに強化されている。この厳然たる現実を見れなければ敗北主義が生じ、他人に対する幻想が芽生える。問題は、われわれの経済的土台をいかにみなすかという観点にある。われわれの経済的威力に心から共感し、生死にかかわらずそれに依拠しようとする決心の固い人だけが、無から有を創造する奇跡を生むことができる。慈江道をはじめ各地の党員と勤労者が内部予備を最大限に動員して多くの中小型発電所を建設し、電力問題を解決している事実がそれを確証している。

 共和国の経済を立て直すための特別な処方があるわけではない。秘訣はわれわれの心の中にあり、土台もわれわれの手の中にある。自らの経済土台に依拠する固い覚悟と決心をもって、全社会的にすでに築かれた経済的潜在力を最大限に動員、利用すること、これが朝鮮労働党の示した自力更生の方策である。

 朝鮮式経済構造を生かすたたかいを引き続き強化しなければならない。朝鮮式経済構造は、強力な重工業を中核にし、すべての経済部門が調和の取れた自立的な経済構造である。これは、奇形的な対外依存、輸出主導型経済構造とは比べようもなく優れている。われわれがチュチェの社会主義偉業をしっかり防衛できる強力な自衛的国防力をもてたのも、朝鮮式経済構造と切り離しては考えられない。

 朝鮮式経済構造こそ、自主、自立の理念の結晶体であり、われわれ自身が血と汗で築いた貴い獲得物である。われわれは、われわれの特殊な経済構造を崩すことを少しも許さない。

 人民生活を向上させるからと言って、重工業をおろそかにしたり、外貨があってこそ経済問題を解決できると言って、対外貿易だけにかたよるのは正しい解決方途になりえない。もちろん、現実発展の要求に合わせて軽工業も発展させ、対外貿易も拡大すべきである。しかし、これらすべての事業は自立的な重工業を発展させる基礎のうえでのみ可能である。こんにち、朝鮮労働党が石炭工業、電力工業、金属工業、鉄道運輸をはじめとする人民経済の基幹部門に一層大きな力を入れる理由がまさしくここにある。

 われわれは今後も、重工業を優先的に発展させながら、軽工業と農業を同時に発展させるという社会主義経済建設の基本路線を堅持して、朝鮮式経済構造の威力を絶え間なく強化するであろう。

 経済事業で実質的な利益が出るようにすべきである。

 自立的民族経済は元来、最も効率的な経済である。自分の資源と資金を効果的に動員、利用し、国と人民の需要を実際に満たすことに自立的民族経済の大きな優位性がある。実利重視の活動態度は、わが国経済のこうした本質的性格に基づいているのである。

 全般的な経済発展に実質的に貢献する問題に力を集中することが重要である。われわれは常に、自己の単位の利益でなく国家全般の利益が実現するよう深い注意を払うべきである。一つの製品を作るにも実質的な効果が出るよう質を高めて作り、一件の技術革新をして一つの工場を建設しても国家的見地から経済的効果を正しく打算できる人が、真にわが国経済の復興に貢献する人である。環境の変化と条件に合わせ、経済事業を伸縮性をもって組織、展開することも実質的な利益を実現する方途である。経済事業は主観と欲望だけではできない。われわれは過去の基準にとらわれず、国の経済状況が困難なこんにちの条件に合わせて事業を効率的に展開すべきである。現実的条件を正しく打算してカギとなる問題に力量を集中し、経済全般を一つずつ立て直すことが共和国経済を一日も早く活性化させる道である。

 自立的民族経済の優位性を発揮させるための朝鮮労働党の戦略は明白だ。禍を福に転換させる朝鮮労働党の非凡な知略と洗練された指導によって、われわれの自立的民族経済は一層実りがあり、生活力のある経済に強化発展するであろう。

 

帝国主義の世界経済「一体化」策動を徹底的に排撃しよう

 現時代、朝鮮労働党の自立的民族経済建設路線を堅持するうえで最も重要な問題の一つは、帝国主義者の悪らつな世界経済の「一体化」策動に断固として立ち向かうことである。

 金正日総書記は次のように指摘した。

 「すべての国と民族は、世界の『一体化』の流れという看板を掲げて行われる帝国主義者の民族抹殺政策の危険性をしっかりと見るべきであり、帝国主義者の支配主義的策動を粉砕するたたかいを強化すべきである」

 帝国主義者は現在、世界経済が一つに統合され「世界化」しつつあるのがすう勢であるとし、各国が満ち足りたよい暮らしをするためには「一体化」の流れに飛び込むべきであると力説している。米国の高位層が頻繁に発展途上国を回って流布しているのも、この「一体化」に関する奇弁であり、世界の各地域に自由貿易地帯を創設するために東奔西走しているのも、すべての国の経済を「一体化」した経済システムに引き入れるためである。ブルジョアのマスメディアも経済の「世界化」が実現されているかのように世論を欺いている。われわれは、帝国主義者のこうした騒々しい「一体化」の大合唱の中に、どれほど凶悪な支配主義の企図が潜んでいるかを見逃してはならない。

 帝国主義の世界経済「一体化」策動の本質は、すべての国の経済を「西側化」「米国化」して世界経済をまるごと自らの支配下に置くことにある。

 各民族がそれぞれの生計を立て、独自の個性的な発展を遂げることは、誰も侵害できない権利である。世界の数多くの国が現在、自国の民族経済を保護し、育成するために積極的な措置を講じている。帝国主義者は、こうした民族的な障壁をすべて除去し、すべての国と地域の経済を自分たちの西側式自由経済システムの付属物に変えようとしている。これがまさに、帝国主義者の世界経済「一体化」策動である。

 帝国主義者は、世界の経済構造が今では本部的機能を遂行する「頭脳国家」と、その要求に従って商品を生産する「下請け国家」で構成されるようになり、よって世界経済が発展するためには「頭脳国家」の最先端技術と金融力が任意の国と地域に何の制限もなく浸透していくべきだと主張している。彼らが作ろうとする「一体化」された世界とは、結局、一部の帝国主義者が主人となり、他国は手先になる世界である。

 世界経済の「一体化」策動こそ、各国の民族経済を容赦なく抹殺するための悪らつな反動攻勢である。自立の旗印を高く掲げたわれわれが、この「一体化」の流れを最も警戒している理由がまさしくここにある。

 世界経済「一体化」策動の悪らつさと破局的結果は、こんにち、アジアの各地域の金融危機に余すところなく表れている。

 アジアの金融危機は広範なアジア市場を完全に掌握するため、米国が計画した謀略劇である。現実は、帝国主義の「世界化」策動の魔の手が伸びる所では例外なく民族経済の土台が弱まり、その自主的性格が骨抜きにされていることを示している。

 われわれは、帝国主義者の凶悪な下心を正しく見抜き、経済の「世界化」策動に自立的民族経済建設路線で対抗すべきである。

 帝国主義に対する幻想と恐怖を少しでも抱いてはならない。侵略と略奪は帝国主義の生理である。国際情勢がいくら変わっても帝国主義の支配主義的野望は絶対に変わらない。

 にもかかわらず、帝国主義の御用ラッパ手と革命の背信者は、「世界化」の時代に至って、帝国主義の本性が変わったかのように宣伝している。帝国主義者のこうした口車に騙され、彼らに何かを期待するほど愚かで危険なことはない。アジアをはじめ世界の多くの地域と国が深刻な経済危機に直面しているのも、帝国主義者の「投資」と「援助」が、一つを与えて十、百を奪うための従属と略奪の罠であることを、識別できなかったことにある。

 われわれは、帝国主義に幻想を抱いた国と民族が置かれている悲惨な境遇を忘れてはならず、常に確固たる反帝的立場を堅持しなければならない。

 自立した人民は、帝国主義の圧殺策動を絶対に恐れてはならない。帝国主義者は数十年間、共和国を「敵性」国家と規定し、資産凍結措置をはじめ数百の制裁措置を取ってきた。しかし、共和国の経済を最後まで窒息させることはできなかった。われわれは今後も帝国主義と強硬高圧の姿勢で勇敢に向き合い、彼らのいかなる制裁と経済封鎖も革命的攻勢で断固粉砕するであろう。

 「改革」「開放」へ誘導しようとする帝国主義者の策動に警戒を強めなければならない。

 現代帝国主義の悪らつさは、その二面主義的な策動にある。一方では制裁のこん棒で他国を屈服させ、他方では甘い言葉で「改革」「開放」へ誘導すること、これが経済「世界化」策動における米国の常とう手段である。

 帝国主義者は現在、「一体化」した世界とは「民主主義の基本原則と法、自由開放市場」に基づいて一つに統合された世界であるとして、この世界に入るためにはすべての国が門戸を開放しなければならないと宣伝している。これは、「西側式」価値観と経済方式をそのまま受け入れさせ、すべての国を帝国主義者に従わせようとする策動以外の何ものでもない。

 どの国であれ、自国の実状に合う独自の処方で経済を発展させなければならない。好みに合わない「西側式」を受け入れては、経済的混乱と破滅しかもたらさない。そもそも「西側式」「米国式」なるものは、弱肉強食の原理を最も徹底的に具現している資本主義的方式の典型である。

 「改革」「開放」に対するわれわれの立場は明白である。

 われわれはすでに、チュチェ思想の原理に基づき、経済管理システムと方法を朝鮮式に絶えず改善しており、現在も改善している。われわれの対外経済関係も平等と自主性の原則に基づいて開けるものはすべて開けた。われわれには今に至って改めて「改革」するものも、「開放」するものもない。帝国主義者がわれわれを見て「改革」「開放」しろと言うのは結局、資本主義を復活させろということである。

 帝国主義者が吹き込む「改革」「開放」の風を吹き飛ばす威力ある方途は、経済事業のすべての分野で社会主義原則を守ることである。

 われわれの自立経済は、社会主義原則を具現するたたかいの中で発展し、生活力を発揮してきた。われわれにとって自立の道は、すなわち社会主義原則を命のように重んじ、固守する道である。

 原則は勝利する。われわれは、「保守主義」と言われようが、決して原則を捨てることはないであろうし、われわれを「一体化」された世界に引き込もうとする策動を最後まで排撃するであろう。

 

最終勝利は自立する人民に

 自立をめざす道は遠く険しい道である。しかし、その道は最終的には勝利する栄光の道である。

 金正日総書記は次のように指摘した。

 「現時代は人民大衆が自らの運命の主人、世界を支配する主人として登場した自主性の時代である」

 現在、世界的に自主、自立を求める機運がさらに高まっている。多くの発展途上国が、帝国主義者が広める「西側式」政治、経済方式を断固として排撃しており、強盗的な制裁措置に反抗している。

 これらすべては、こんにちの世界が帝国主義者の言う「一体化」の方向にではなく、自主化の方向に進んでいることを示している。

 自立的民族経済建設路線は、力強い現代の流れをそのまま反映している正義の旗印である。自立か従属かというし烈な対決で、われわれの勝利は確定的である。

 社会主義建設で表れている兆候も、われわれの最終勝利を予告している。

 共和国の社会主義経済がいまだ困難に直面しているのは事実である。しかし、その困難の中でも大規模金属工場をはじめ基幹工業工場で生産を正常化するたたかいが粘り強く行われている。多くの地域、工場、企業所に、自力で生き抜くための土台が強固に築かれている。

 朝鮮労働党と人民は今一度奮起してわれわれの自立的民族経済の威力を著しく強化し、この地の上に必ずチュチェの強盛大国を打ち立てるだろう。

 こんにち、共和国には、社会主義建設で最終勝利を達成することのできるすべての土台が築かれている。

 朝鮮労働党の正しい政治、朝鮮人民の一心団結した威力と高い文化技術水準、わが国経済の尽きない潜在力と豊富な資源、これがわが国が限りなく隆盛繁栄することのできる基礎である。

 われわれには強力な政治思想的威力、一心団結の威力がある。共和国の経済の威力は一にも、二にも政治思想的威力、団結の威力だ。この威力がある限り、われわれの経済は絶対に崩壊しない。

 厳しい試練は革命を行う人民をさらに奮発させるものである。

 「苦難の行軍」を行う過程で、朝鮮人民は自力更生の真の意味をさらに胸深く刻み、自力で生きていこうという強い生命力を持つようになった。困難であればあるほど、自らの指導者を強く信じて、指導者と渾然一体となってたたかう気風が高く発揮された。

 われわれには強力な物質技術的力量がある。

 われわれの経済は、国内の豊富な天然資源と巨大な生産土台に基づき自力で生きていくことのできる強力な力をもっている。

 とくにここ数年来、科学技術発展の土台が一層強固に築かれたことは、われわれに自立的民族経済の前途に対する確信を抱かせている。

 最新科学技術を発展させ、それに基づいて自力で生きていく道をさらに力強く開いていくことが、こんにちの自力更生である。われわれは「苦難の行軍」を行う困難な時期にも、最先端技術をはじめ科学技術の各分野を発展させてきたし、経済土台を効果的に利用するうえで提起される数多くの科学技術的問題を解決した。最も注目すべきことは、われわれの経済の未来を担っていく有能な科学者、技術者が増え続けていることである。チュチェ思想と近代科学技術でしっかり武装した科学者、技術者の大部隊が今、経済建設で大きな役割を果たしている。現代は科学と技術の時代である。科学技術を重視する経済が最も展望の明るい経済である。われわれは強固な科学技術力量に依拠して短期間に国の科学技術を世界的水準に引き上げるであろうし、自立的民族経済発展の最盛期を開くだろう。

 社会主義経済建設をめざすたたかいで最終勝利を達成することのできる決定的保証は、朝鮮労働党の100戦100勝の政治にある。

 政治が立派であってこそ経済が発展し、国が栄える。たとえ領土が狭くとも正しい政治を具現すれば、自立経済の強国を立派に建設することができる。

 金正日総書記は、現代の最も傑出した政治家であり、社会主義建設の卓越した英才である。偉大な金正日政治が具現されるところでは、軍事分野であれ、経済、文化分野であれ、必ず大きな勝利が達成される。

 こんにちの時代は、金正日総書記の指導が社会主義建設のすべての分野に全面的に深化していく時代である。遠い先まで見通す英知で経済を活性化させるための近道を明らかにしたのも金正日総書記であり、朝鮮人民が自力更生の革命精神、江界精神で新たな千里馬大高揚を起こすように導いたのも金正日総書記である。こんにち、われわれの経済建設で新たな高揚の兆候が表れているのは、金正日式政治方式の威力を明白に誇示するものである。

 偉大な党の指導を受けるわれわれには、難攻不落の要塞などありえない。最後に笑うのは、虚勢を張る帝国主義ではなく、自主、自立へ進む朝鮮人民である。

 世界は迫り来る21世紀に、チュチェの強盛大国、自立経済の強国となった繁栄する社会主義朝鮮を必ず見ることになるだろう。