日本政府は対共和国敵視政策是正を/総聯中央副議長が談話
総聯中央の金泰煕副議長は16日、東京・千代田区の朝鮮会館で記者会見を行い、共和国の人工衛星打ち上げをめぐり日本で憂慮すべき事態が生じていることと関連し、@日本政府当局が対共和国敵視政策を是正して「制裁措置」を速やかに撤回し、一部の右翼や心なき人たちによる在日朝鮮人の基本的人権と生存権を脅かす行為を取り締まる適切な措置を緊急に講じる A日本のマスコミが人工衛星打ち上げに関する共和国の発表を認め、共和国に対する偏見と敵対感情をあおるのではなく公正な報道姿勢に徹する――ことを強く求める談話を発表した。
金副議長は談話で、日本政府当局が共和国の人工衛星打ち上げを一方的に「弾道ミサイル発射」と断定し、厳重抗議、国交交渉・食糧支援の見合わせ、KEDO凍結、名古屋―平壌間チャーター便の運行取り消しなどの措置を取り、さらに日本政府や政党の中では在日朝鮮人の送金停止、資産凍結、貿易制限、渡航禁止などの「追加規制」が論じられていると指摘。すでに朝・日貿易面では実質的な通関規制、送金の実態調査という形で波紋が広がっていると述べた。
そして、共和国が打ち上げたのが人工衛星だと世界が認めているにもかかわらず、日本政府当局だけがいまだにこれを認めようとせず、「制裁措置」の撤回はおろか、むしろこの時とばかりに共和国を「脅威」とする危機感と反朝鮮感情を一層あおっていると批判。こうした日本政府当局の敵対行為や一部マスコミの過激報道を背景に、一部の右翼や心なき人たちによって朝鮮学校に通う子供たちをはじめとする在日朝鮮人に対する暴力や脅迫行為が頻発していると強調した。
朝鮮学校生徒、各機関への嫌がらせ多発
金副議長によると、朝鮮学校生徒に対する暴行、暴言、脅迫行為は9月に入って全国各地で起こっている。悪質なものをあげると、中級部1年の女子生徒が下校中、自転車に乗った20代位の男に傘で殴られつばを吐きかけられた例や、初級部4年の女子生徒が下校時、電車内で何者かによってランドセルを刃物で傷つけられた例などがある(いずれも東京都内)。
各地の朝鮮学校や総聯中央、各本部、支部など各機関には脅迫電話や手紙なども来ており、学校の外壁に悪意に満ちた落書きをされたという例もある(大阪)。
このため、各学校では集団登・下校などの自衛措置を取っており、警備、点検などを強化している。
また副議長によると、学生や学校、総聯の各機関だけでなく、店舗への嫌がらせや営業妨害など、被害は同胞商工人らにも及んでいるという。