関東大震災朝鮮人大虐殺真相究明を/日弁連に人権救済申し立て
総聯千葉県西部支部を母体とする「関東大震災時に虐殺された朝鮮同胞を追悼する同胞の会」(代表=李炳河西部支部委員長)が8月31日、東京・千代田区の日本弁護士連合会(日弁連、小堀樹会長)に、事件に対する日本政府の真相究明を要求する人権救済申し立てを行った。
1923年9月1日の関東大震災では、発生直後、旧日本軍と警察当局が流した「朝鮮人が井戸に毒薬を入れ、放火した」などのデマのため、軍や自警団などによって6000人を超える朝鮮人が虐殺された。
朝鮮人大虐殺に関して人権救済を申し立てるのは「同胞の会」が初めてのこと。この日代表らは、日弁連の加藤文也事務次長に関係書類を手渡した。
李代表は、同胞と日本市民らに対する聞き取り調査などにより、かなりの部分まで事件の真相が解明されてきたとしながら、日本政府がこんにちに至るまで実態調査すら行っていないと指摘し、何の罪もない同胞の命を奪った大虐殺の真相究明を急ぐ必要性を強調した。とくに代表らは、大震災時における虐殺は、その後、日本による朝鮮植民地時代に起きた強制労働、「従軍慰安婦」問題などとも深い関連性があると言及し、こうした視点に立った調査が必要だと述べた。
李代表は「法曹団体が詳細を明らかにすることで真相究明を要求する世論が一層高まるだろう」と申し立ての意義を説明する。
「同胞の会」では今後も遺族らの証言を集め、事件の真相を明らかにする作業を進めていく。