長野初中新校舎建設チャリティー演奏会/朝鮮民族楽器重奏団「ミナク」
長野朝鮮初中級学校の校舎移転・新築事業を支援する朝鮮民族楽器重奏団「ミナク」チャリティー演奏会が15日、松本市内のホテルで行われ、同校生徒と父母、卒業生、日本市民ら350余人が観覧した。
同校オモニ会が主催したもので、地域同胞の間で新校舎建設への関心を高め、チケット収入を建設基金支援にあてるとともに、民族楽器の演奏を通じて生徒らの民族心を養おうと企画。県下には民族楽器のサークルや楽団がないため、東京を中心とした関東の民族楽器愛好家らがつくる「ミナク」に公演を依頼した。
「ミナク」はプロの演奏家も多数メンバーに加わっている本格的な民族楽器重奏団。「新校舎建設の力になれるのなら喜んで」と出演を引き受けた。
演奏会では、タンソ独奏「春の便り」や民族楽器4重奏「農夫歌」、民族楽器重奏など民族色豊かな10演目が披露され、古楽器の紹介も行なわれた。同校生徒と卒業生による「チャンダンノリ」も迫力満点で喝采を浴びた。演目の合間には出演者、観客のインタビューもあり、生徒や父母らが民族楽器に対する感想、新校舎が建設される喜びなどを思い思いに語っていた。
公演の最後に、新校舎建設委の河龍佑副委員長があいさつし、オモニ会に謝意を表明。また、これからはオモニたちだけでなくすべての同胞が力を合わせ、子供たちのために立派な新校舎を建設しようと呼びかけた。
公演後、観客らは「美しい音色に心が洗われるようだった。これからもこの様な公演を行ってほしい」「校舎の移転・新築はとても大変なことだが、必ずやり遂げるためにも積極的に協力したい」などと語っていた。
同校オモニ会では演奏会のほかに、5月から全校生徒の家庭を対象にした「ペットボトル1日100円貯金運動」を繰り広げるなど、基金集めに独自の活動を活発に行っている。9月19日には昨年に続く第2回バザーを開く予定だ。
オモニ会の鄭明玉会長は「新校舎の建設は何人かが取り組んで出来ることではない。1世が後代のために民族教育を守ってきたように、今度は私たちの世代が未来を担う子供たちのために立ち上がらなければならない」と語る。
校舎の建築工事は今秋に着工する予定。来夏の竣工を目指す。